JBIM大阪:交差点の道路天空率 | 比嘉ブログ

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建築企画CAD「TP-PLANNER」開発者の日常・・建築基準法,天空率、日影規制講座などチャンプルーなブログ

11月24日土曜日 
おはようございます。3連休2日目の東京は昨日来の雨が若干残り寒い朝。今年初オイルヒータで暖をとりながらのブログ。
今週は忙しかった~。
まずは、これ

 京都東福寺の紅葉だ。長年みたいと思いながらも混み合うのもいやだしと思っていたが、そんな事で一生行かないでは、悔いが残る。でちょいと途中下車で見学したら確かに人も多いが紅葉がすごい!。日本人でよかった。紅葉がまた最盛期!ベスト。

 いや紅葉の事ではないのだ。本日は前回予告した「J-BIM連携フォーラム2012 in 大阪」からはじめたい。前日入りの19日。J-BIM連携フォーラムの9社が集合し打合せ。なにしろ今回は寸劇あり、パネルディスカッション有りの盛りだくさんの内容だ。

コーディネーターのTゼネコンU氏中心に和気あいあいと進行した。なにしろ9社代表の役者の台詞あわせにもちろんIFCによるデータ連動、3時から始まった稽古は夜の12時まで。この頃は始まったばかりで皆余裕の笑顔。

今回、強烈な演技力を持つ役者が2名。まず日積サーベイ生島社長。デベロッパーの社長役だ。まさに地でいける。この場合生島社長の強烈な関西弁は強い。迫力満点。

 トモデータサービスの馬場氏も負けてないサブコンの現場監督役。生島社長の名演技に触発されなんと「アドリブかましていいですか?!」アドリブは本番に期待する事として・・通称バンちゃんはのりのり。本番では日積サーベイ社の黄色のヘルメット、現場服を借りて演ずる事となった。

 しかしこの時点での福井CAの村上さんの下手な事。・・思わず「ヘタクソ!」の声も・・・だれだ比嘉だ。日積サーベイの西村氏がまた下手で生島社長のだめだしにビビリまくり状態。

 比嘉は冒頭の挨拶とパネルディスカッションゆえ余裕。余裕で早上がりの生島社長、福井CA杉さん、小島さんとともにお食事。皆頑張れ!

 さて本番だ。

皆完璧!。村上氏はほとんど台詞を暗記。堂々たる演技。西村氏も社長の喝に人が変わった様な名演技。台詞もクリアーで良い。声が役者声だ・・ほめすぎだな。

 このセミナーの様子はパネルディスカッションなど見所満載だ。近々ムービーも含めて公開する予定ゆえ詳細はそれからとしよう。開演前にゼネコンの角田女史はじめ久々にユーザーの皆様にも会えて良かった。

 さて連休中日の本日、比嘉はこれから沖縄まで移動する。出発前の時間で本日の天空率講座を始めたい。今回は、天空率講座に名古屋から参加のトーヤマさんの質問から「交差点」で3方の道路が交差する場合の道路天空率。これを解説したい。

 

 渋谷駅ハチ公前のスクランブル交差点は 5か6の道路が交差する。が今回は3の交差で解説する。
道路斜線の断面を確認すると広い道路側は


NG、狭い道路6m側も

道路中心10mもNGだ。どうやら2Aの20m道路の適用距離内に薄くある。こりゃ天空率で不利材料。


 面倒な事例の検証を行う場合。シンプルな事例に置き換える事から始める。この事例でまず解説したい。

20mと6m道路に10m道路が突き込んだ事例だ。この事例は、行き止まり道路の適合建築物と算定位置の想定法、令132条の処理法を理解していれば大丈夫だ。

 まずいき止まり道路の適合建築物および算定位置だ。
JCBAのHPを参照すると

前面道路が行き止まる場合、道路の算定位置は「みなしの道路反対側の位置」に設定する。適合建築物は行き止まり道路の左右に回り込む。

 算定位置はわかった、この場合は6m道路が前面道路として存在する。大丈夫!この場合もJCBAのHPで解説されている


この場合一の道路で幅員が異なる場合の処理法を参考にするとよい。算定位置はそれぞれの道路の反対側でさらにそれらの道路幅員の段差なりに算定位置も連続する。

 この様に設定する事で問題ない。


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11:00そろそろ出発の用意だ。続きは沖縄に向かう飛行機の中で書くとしょう。しばらく休憩。

12:00空港到着。今年は法事で帰省も多い。経費節約SKYマークの待合でしばし講座を開始しよう。
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JCBAのHPの解説によると6m道路側は行き止まり道路もみなし道路の幅員が異なる「一の道路」と考える事ができる。

今回はトーヤマさんの為にTP-PLANNERでの操作手順を含めて解説しよう。


①「天空率敷地」で「一の道路」の設定の為、同一区間の設定を行う。

行き止まり道路の部分はあらかじめ境界点を設置し道路巾を10mで入力しておく。
「天空率敷地」ではShiftキーを押したまま6m道路側の道路を全て選択し同一区間枠の「設定」ボタンをクリックする。その際に赤4角枠で示す「道路幅員」は入力しない。

 JCBAの例題にある道路幅員が異なる場合のみの場合、回り込みは無しとするが、この事例ではやはりJCBA行き止まりの適合建築物の挿絵に従いまわり込みを発生(2B)させよう。こ同一区間の設定とともに同一区間で最小幅の道路幅員が認定道路幅員とされる。認定道路が設定されると回り込まない事になる(2B)。数値が入った場合「道路幅員」の項を0入力する事で設定解除となる。

*この部分の操作設定が本日の講座のキモとなる。


②行き止まり道路の設定を行う。

行き止まり道路部分をクリックし選択後「行き止まり部分」をクリックする。

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13:00いかんそろそろ出発だ。休憩

11月25日
いかん、どうも風邪気味だ。昨日、夕方沖縄到着とともに若干だるいと思ったら咳き込む様になった。



我が家の名犬ラッキーも心配そう。本日も朝から足にまとわり離れない。よし頑張ろう講座を続けるぞ!

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昨日は、「天空率敷地」の設定まで行った。

「天空率算定領域」では道路境界発生の「全境界」ボタンをクリックし適合建築物、算定基準線が自動発生する。


画面右側の「全領域」のチェックをOFFし同一区間グループ指定で6m道路と行き止まり道路の算定基準線を追加する必要がある。

この場合JCBAの解説にある幅員の異なる1の道路同様に行き止まり道路の反対側縦方向に算定基準線を追加し算定基準線を連続する必要がある。

適合建築物の一部をクリック後、ダイアログボックス内の「2点」をクリックし→(左周り)の方向にクリックし接続する。(2回繰り返す)。この様に行き止まり道路が垂直に交わる場合、自動発生する事は可能だが交差点などでは複雑に交わる場合が多い。状況に合わせて審査機関との協議の上確定設定する事が通例だ。

 準備ができた「天空率計算」で「算定位置発生」後計算開始で結果は簡単に算出されるが、この場合は2の道路+行き止まり道路における令132条の解釈法がポイント。各区域毎に検証考察しよう。

まずは令132条
(2以上の前面道路がある場合)第132条 建築物の前面道路が2以上ある場合においては、幅員の最大な前面道路の境界線からの水平距離がその前面道路の幅員の2倍以内で、かつ、35メートル以内の区域及びその他の前面道路の中心線からの水平距離が10メートルをこえる区域については、すべての前面道路が幅員の最大な前面道路と同じ幅員を有するものとみなす。

2 前項の区域外の区域のうち、2以上の前面道路の境界線からの水平距離がそれぞれその前面道路の幅員の2倍(幅員が4メートル未満の前面道路にあつては、10メートルからその幅員の2分の1を減じた数値)以内で、かつ、35メートル以内の区域については、これらの前面道路のみを前面道路とし、これらの前面道路のうち、幅員の小さい前面道路は、幅員の大きい前面道路と同じ幅員を有するものとみなす。
3 前2項の区域外の区域については、その接する前面道路のみを前面道路とする。

まずは1項の区域


1mの後退距離の位置からこの場合適用距離25mで区分される区域だ。

適用距離内に50m高の計画建築物がある為、全ての算定位置でNGとなる。


次に今回問題の2項の区域。20m道路が6m道路+行き止まり道路10mに回り込んだ区域だ。


6m道路側も後退距離が1mゆえ回り込んだ20m+1mの位置を起点として25mの範囲で区域が区分される。

広い道路から2Aかつ35m以内でこの場合35mまでが回り込む距離。その位置までで区域が区分される。

6m道路と10m行き止まり道路で段差が発生するがみなしの道路境界を含めて全てが2.867mの均等間隔で発生する。

この場合適用距離内に薄く計画建築物の50m高の部分が含まれる。天空率で不利になる為、後退距離を若干増加させる適用距離外になる様に設定する。若干で良い。

最後に2Aを越えた道路中心10m内の区域だ。


この場合空地が充分でクリアーする。

これだけ従来の斜線規制を越えていても空地さえあれば問題なくOK。これが天空率だ。

ちょっと待った!断面を確認してみよう。


ここが今回のポイントだこの区域は令132条2項

2 前項の区域外の区域のうち、2以上の前面道路の境界線からの水平距離がそれぞれその前面道路の幅員の2倍(・・)以内で、かつ、35メートル以内の区域については、これらの前面道路のみを前面道路とし、これらの前面道路のうち、幅員の小さい前面道路は、幅員の大きい前面道路と同じ幅員を有するものとみなす。

赤字で示されるこれらの前面道路(6mと10mの行き止まり道路)のうち幅員の小さい前面道路(6m道路)には幅員の大きい10m道路が2倍20mまで適用される。


 これが今回の行き止まり道路のポイントだ。天空率敷地で「道路幅員」の項を設定させずにあえて回り込みの設定を行った場合、この効果を得る事ができる。

 132条の意図する敷地内の狭い道路に面する部分でも広い道路から一定の範囲までは通風、採光を得る事ができるという基本的な考え方に合致する。

 今回もっともお伝えしたかった事がこの部分だ。さて問題の交差点を検証してみよう!といきたいところだが本日体調不良の為このあたりで終了とする。続きは来週。

 最後にバンちゃんのアドリブとは・・
ゼネコン営業部長杉氏から発注を受けた現場監督のバンちゃんの場面。
「施工図は3Dでヨロシク!」との杉部長からのオファーに
「3D+4Dでまかせて下さい!」バンちゃん。
「4Dってなんですか?」杉部長
どんな時も、努力と、度胸と、そしてど根性や!」

(当然右端がTOMデータサービスのエース馬場氏)
・・・・・・・・おあとがよろしい様で・・来週までお元気で! Hi




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