17方式により異なる結果シリーズ 4 132条の2Aの範囲 | 比嘉ブログ

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さんおはようございます。
本日は東海地区におります。便利になりました。
全国どこでもブログが書けます。
今日も、梅雨の中休みで夏日になりそうです。
出かける前にサクッと本日のテーマをこなしましょう。

 さて本日は、「2以上の前面道路がある場合」132条のいわゆる2Aの範囲を検証してみましょう。

 道路高さ制限建築物を作成する規定、135条の6の3項では
「当該建築物の前面道路が2以上ある場合・・・・・第132条または134条の2項に規定する・・・」とあります。

 132条では
132条-1
「・・・・幅員の最大な前面道路の境界線からの水平距離がその前面道路の幅員の2倍以内・・・」
-2
「前項の区域外の区域のうち、2以上の前面道路の境界線からの水平距離がそれぞれの前面道路の2倍・・・」

とあり、前面道路が2以上ある場合における適合建築物の区分が決定されます。
新JCBA方式においては

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入り隅における最大の前面道路からの2Aの範囲が上段が道路境界線から平行に道路中心10mを区分する場合。下段が最大の前面道路がつき込んだ境界点から円弧状に2Aの範囲を区分する方法です。今回、上段、下段いずれの手法でも可としております。

 なぜ両手法を可としたのか検証してみます。
従来、このブログでも指摘してきました様に水平距離は水平面に投影された2点間の距離の事です。上段は「境界線から」の判断を道路境界線ととらえその線分から平行に作図している事がわかります。
下段は境界線がつき込んでいる場合はその突き込んだ境界線の先の境界点からの水平距離で2Aの距離を維持し区分しています。

 水平距離の解釈からして本来、下段の作図法が正しいと思われますが上段も可としたのは従来この様に区分して来た事。あるいは行政の窓口資料がこの様に簡便的に作図されている場合が多く、その区分法を不可とした場合、混乱する事も考えられる事への配慮と思われます。

 今回はこの両手法により区分区域が大きく異なる事例を紹介します。


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 この事例の様に最大の前面道路がつき込んでいる場合、円弧状の回りこみと4画の簡便法ではその区分領域が大きく異なります。

 新JCBA方式においては入り隅は同一区間として処理されます。この場合、最大の前面道路幅員Aより2Aの範囲が円弧状に区分されます。上図は最大幅員Aの領域を表示しております。算定位置は同一の道路境界上に設定される為に幅員の狭いBの幅員幅半分以下の均等間隔で配置されます。適用距離および2Aの領域は円弧状に区分されます。簡便的に区分すると下図の様に区分されます。

 
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この最大幅員の領域ではそれ程問題になりません。
問題は両サイドのBの狭い前面道路Bの道路中心10mの領域です。

下図が円弧状の2A区分です。


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広い道路Aから2倍(35m以内)を越えた狭い道路Bの道路中心10mの領域はBの幅員に区分されます。この場合飛び地状に区分されます。


簡便法の区分が下図です。

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簡便法の場合2Aから平行に区分すると、円弧状に区分した領域から残る敷地左下側の道路中心10mの領域が区分されなくなります。

 区分区域が大きく異なる事がわかります。今回、いずれの処理法も可となります。

今回は最後に前回のテーマ「用途越え道路」の場合の処理法でやはり入り隅部に面した用途境界がある場合の処理法を確認しましょう。

新JCBA方式のP34に記述されています。

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 面している用途地域が住居系で入り隅部の奥に商業地域で区分される場合の算定位置の配置法です。前回でも解説しました様に
「道路制限勾配が異なる地域等ごとの前面道路に面する部分の両端から最も近い当該前面道路の反対側の境界線上の位置に算定位置が配置されます。
 
 この場合の勾配の異なる領域の両端は円弧状になりますが、この項ではこの例の様に道路の反対側に区分した面がない場合特殊なケースとして下記の様に解説されています。

「この場合、用途の異なる区域毎に区分されるが、その他については区域区分がない場合と同様に「前面道路の反対側の境界線上(黒点)に算定位置を配置し、審査を行うことは同様である。」

特例として厳密にその反対側の算定位置が特定できない場合、両区分全体の道路の反対側に算定位置を設定すると記述されています。

 特例として、その手法が記述されている事は、ありがたい事です。現場で困る事は対処法が記述されない事です。

 今回はこのあたりで終了にしましょう。


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