01東京方式における入り隅道路の処理法 | 比嘉ブログ

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建築企画CAD「TP-PLANNER」開発者の日常・・建築基準法,天空率、日影規制講座などチャンプルーなブログ

皆さんこんにちは今週はWBCのおかげで落ち着かない1週間でした。世界一になってくれたので穏やかな気持ちで週末を迎える事ができます。感謝

改めてスポーツの持つ社会性、社会貢献の大きさを知る思いでした。
ホントヨカッタ 今週末はサッカー、バーレン戦だ、スケートもあるな・・・みんな頑張れ。

高校野球は、応援するまもなくわがふるさと沖縄代表の興南高校は残念なっがら1回戦敗退です。勝ち抜けば思い切り自慢しようと思っていただけに残念です。中学の頃、郷土の応援ばかりする事を島国根性といいネガティブにいわれておりました。が今はそれがジャパンになっただけで島には違いない。世界平和は郷土愛から・・・きりがないのでやめておきます。

 加えて今週は江戸川区主催の天空率講座、昨日のJWSKYイブニング講習まで連日講習続きの毎日でした。セミナーの時間を越える反省会の飲み会があったりで多少疲れ気味です。ブログを書けてない言い訳です。

 さて前回は東京方式から天空率の審査制度が開始された事をお伝えしました。
今週はその考え方を実践的に解説します。(TP-SKY、TP-JWSKYの操作も交えて解説します。

まずは下図を参照して下さい。

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 東京都方式では入り隅部を有する道路は入り隅角を2等分しそれぞれの前面道路に加えた適合建築物を設定しその道路境界の反対側に算定位置を設定します。

 東京都ではさらにできるだけ従来の斜線規制で可能な建築物と規模的に著しい乖離が無い様に工夫をしました。それがいわゆる「窓」を設定する考え方です。

適合江建築物を設定する際に各算定位置から適合建築物を眺めたときに当該の前面道路越しの可視範囲のみを適合建築物とする考え方です。

下図の様になります。


 
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 前面道路越しの可視範囲を適合建築物とする事により適合建築物が空を遮蔽するのは赤表示で示した前面の立ち上がりのみになります。空を大きく遮蔽する適合建築物の側面を見せない方式を採用しました。この方式の場合入り隅近くの算定位置ではNGになる確率が高くなります。下図を参照して下さい。


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入り隅と反対側に空地を大きく設定しましたが入り隅側の算定位置からは遠くになりその空地は小さく見えます。その為適合の天空率は大きくなり計画建築物を越えNGとなる確立が高くなります。立体的に確認しましょう。


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 この場合の計画建築物は斜線規制をわずかに超えているだけですがNGとなっております。この事で安全処理を考慮した東京都の入り隅処理法は当初の目的を満足したといえます。

 東京方式は厳しく建物を制限する。この事で審査機関も安心して審査を開始する様になりました。その頃、当方では連日宿題の様にだされる東京都天空率仕様に対応作成し確認して頂く作業が続きました。実際にこの仕様がどの様に機能するかの検証が都庁でも行われました。鈴木さんは休日出勤も辞さずで精力的でした。

 天空率仕様確定の為の施行錯誤が連日繰り返されました。今思えばコンピュータ処理必須の天空率の仕様にソフト会社が追いついていけない場合この法律は機能しないだろうという見極めもあったのではと考えます。

 TP-SKYでは計算結果を対数グラフで差分が最も少ない位置が算定線に近づきNGの場合赤表示します。差分は三斜求積で安全作図した天空率(適合は
0.01%以上大きめ、計画は0.01%以上小さめその差合計最低0.02%)を考慮しその結果でさらに0.02%以上の差分が要求された為に合計0.04%、最終桁で適合は切り上げ、計画は切り捨てにする為その分の差0.01%を合計した0.05%以上の差分でOKとしております。天空率の審査はこの様に差分が見かけ上0.02%といいながら現実は0.05%以上の安全率を要求する事で開始されております。この差分の考え方は改正建築基準法では規定されておりません。

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差分をグラフ化する事が当初の都庁仕様だったと思いましたがこの方法はどうやらTP-SKYのみが採用した様です。昨年施行された改正建築基準法における近接した算定位置を容易に判断可能にします。

東京都の入り隅を指定する方法は「入力」「天空率算定領域」において「地域指定」「東京都」を選択し道路「全境界発生」ボタンをクリックする事で可能になります。


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TP-SKYあるいはJWSKYは当方のHPからダウロードで100時間の使用が可能です。ぜ実際に操作し確認して下さい。

次回は東京都入り隅における算定されない領域とJCBA方式の誕生そして道路隣地越えの考え方を解説します。

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