こんにちは、ぎんざけです。
法律科目には学問科目・スポーツ科目・宗教科目の3つのタイプがあり、そのタイプごとに勉強法が異なります。
「学問科目・スポーツ科目・宗教科目って何?」という方は以下の記事を読んでみてください。
以下3タイプにそれぞれ司法試験のどの科目が含まれているか、それぞれどう勉強していくべきかを書きます。
将来的にはそれぞれの科目毎の記事を投稿予定です。
- 学問科目(刑法、民事訴訟法、ちょっとだけ行政法)
理論が完成された美しい科目です。それ自体が一つの法則を持った宇宙です。
刑法で学ぶ全てのことは、「構成要件に該当する行為が行われ、構成要件的結果が生じた場合には、結果発生に寄与する行為をした者に犯罪を成立させる。ただし、違法性がない場合と責任がない場合は犯罪の成立を認めない」に収束します。
民事訴訟法で学ぶことも、「当事者の申立てた権利関係に関して、当事者の提出した証拠に基づいて、当事者の主張した事実の有無を認定して、裁判所が公権的に確定し、紛争を解決するための制度」に収束します。
行政法は上記の2つには劣るものの、一応「行政庁が行った法律行為の効力を一般国民が訴訟で覆滅させることができるのは、一般国民の法的地位に直接的な変動が生じ、行政法規が保護しようとする利益侵害を救済する必要がある場合のみ。裁判所は、行政庁の行為の違法性の有無を、判断の合理性と手続きの適正性を基に判断する」と言えるかなと思います。
どちらの科目の勉強も振り返ってみると上記の法則の理解が深まったというだけだと気づきます。
もちろん試験勉強で点を取るためにはいろいろなことを覚えないといけないのですが、勉強のどの段階でも「法則」に照らして何を勉強しているかを常に理解していないと、結局何も分からなくなります。
まずは法則を徹底的に頭に叩き込むというのが、これらの科目の勉強のスタートラインです。その後は学習のたびに法則に立ち戻るを繰り返しているうちに理解できるようになります。
- スポーツ科目(民法、商法、刑事訴訟法)
「こういうときはこうなる」といった個別ルールの集積です。残念ながら、学問科目のように美しい法則は存在しません。
ですが、個別のルールが(概ね)矛盾なく構築されているので、コツコツと勉強していくうちに未知の問題もなぜかいい感じで解けるようになります。
民法のテーマは、①意思表示、②物権の変動・優劣、③契約債権の成立、④法定債権の成立、⑤債権(契約債権・法定債権共通)の変動・消滅・効力、⑥身分関係の成立・消滅・効力、⑦死亡時の財産・身分関係の変動、の大きく7テーマです。
商法(会社法)のテーマは、①機関(権限・意思決定方法・責任)、②株式の発行、③会社の設立・消滅・組織変更、④訴訟・非訟、の大きく4テーマです。
刑事訴訟法のテーマは、①犯人・物証の捜査・確保、②審判の対象、③証拠、④裁判、の大きく4テーマです。
これらの科目は内部パーツ(テーマ)が比較的独立しているので、各テーマ単位でそれぞれさらっと理解するのがスタートラインになります(深入り厳禁です)。その後、条文や判例をコツコツと覚えていくうちに、不思議と分かるようになります。
- 宗教科目(憲法)
裁判所の判例の論理的な説明を放棄し、自己矛盾した学説を恥ずかしげもなく開陳する学者が多い科目です。日本国憲法ができてから70年以上経つのに嘆かわしい限りです。(※ 以下過激な感想が続きますが、一個人の意見です)
さらにひどいことに、試験では「反対の見解にも言及し」などといって、到底論理的な解答が書けるはずがないのに、それをごまかす忖度を受験生に求めてきます。
唯一の希望は最高裁判所の判例です。彼らは頭の良いプロフェッショナルなので、ほとんど内部矛盾しない説明ができていますし、矛盾が生じうる場合は大法廷判決で上書きするなど、しっかりとしたプロセスで解釈統一を行っています(※ 近年、小法廷で判例変更まがいのことをしたりなど品質低下が見られますが)。
出題者は受験生が書く(自己矛盾学説をたっぷり盛り込んだ)気持ち悪い忖度を期待しているので、高得点をとるには憲法学ではなく憲法忖度学を学ぶ必要があります(学者の本を読んで矛盾をそのまま暗記しましょう)。
ただ、流石に最高裁判例に沿って書けば低評価が付くことはない(高評価もつかない)ので、個人的なおすすめは最高裁判例以上は踏み込まない方法です。
いろいろな意見がある人がいると思いますが、予備試験と司法試験の勉強をするうちに、私個人としては上に書いた内容で完全に納得できています。異論反論は大募集中ですので、ぜひ意見のある方はコメントください。