伊勢崎市景観まちづくり賞の受賞
もう暖かくなりましたね。
春をすぎて毎日が夏のようです。。。
僕はといえば、相変わらず、プレゼンをしつつ現場に通う日々。
設計やプランニング、模型で検討したり、敷地を調査したり・・・
毎日が足早に過ぎていきます。
そんな最中、去年の暮れに、群馬の伊勢崎市に設計したクライアントから電話。。。
たまたま、打ち合わせ中だったりして電話を取れなかったのですが、2回ぐらい着信があって・・・
なんだろう・・・・
その日は結局夜遅くなってしまったので、次の日に電話をかけ直しました。。。
すると・・・・
「入賞しました!」
と、明るい声での反応・・・・.
「え??」
とこちらは事態を飲み込めず、リアクションできず・・・
「あ、、え、、入賞ですか??」
「はい!!」
とやはり、明るい声。
「あの何が?」
「先生に設計してもらった建物がです!!!」
↓これです。。。
んん? どうやら悪い話じゃなさそう。。。こちらも若干、僕も声が明るくなる・・・。
「え、、あの、設計した建物が、、、ですか?」
「はい!そうです。」「入賞したんです・・・・」
こちらはまだピントが合わない・・・
「あの、応募した覚えがないんですが・・・」
「はい、こちらで取りまとめて応募させていただきました!!」
「入賞です! 」
「伊勢崎市の「景観まちづくり賞」に選ばれました!!!」
↓この建物が、、、景観まちづくり賞を・・・・・受賞・・・・・
ようやく、ここでピントが合いました。
「お、お、おお〜」
「す、すばらしい〜、やったんですね・・・」
若干遅れ気味のリアクションです。。。
「はい、それで表彰式があるのですが、先生のお名前出しても大丈夫ですか?」
「も、も、もちろん、光栄です。。。。」
断るはずがありません。笑
というわけで、人生初、自分で応募していない賞に、はじめて入賞しました。
さっそく、1月になって表彰式があり、ありがたく、賞をいただきました。
やっぱり壇上に登って表彰状をいただくのは、いくつになっても緊張します。
表彰式の後は、クライアントご家族と建設会社と一緒に祝勝会。
お酒をのみながらみんな揃って久しぶりの会になります。
美味しいお酒と食事をいただきながら、クライアント家族からいろいろなコメント。
厳しい意見もいただく覚悟でお話しを聞きましたが、何度聞いても、、、
「いやー、いいですよ。とっても良いです。」
「打ち合わせで決め切れなかったとき、先生の考えや意見に沿ってやってよかったと思います。
「その考えが正しかったと、今になってよくわかりました。」
「実にすばらしい提案だったと思います!!」
などなど、嬉しいお褒めの言葉をたくさんいただきました。恐縮のかぎりです。。。
ただ、このようなコメントも・・・
「最初の案もよかったんですけどねー。あれができるのも見てみたかった。。。」
↑こちらの案です。
「でも、最終案がやっぱりよかったですね〜」
それがこちら↓の案です。そうでなければ困りますが・・・汗。。
クライアントからそういった幸せそうな笑顔とうれしい言葉をいただき、こちらはもうほんとに、
感無量。
泣いてしまいそうでしたが、ここは必死でこらえて、笑顔でその場のオーラに浸りました。
1階には美容室が2つ。
昔からこの場で美容室をやってきたお母様のお店、ルシアン。
そしてここに今回新しく開業した息子さんのお店、アール。
お母様は前のお客さんを引き継いで順調にいっているそうです。
そして息子さんも最初の立ち上げは大変だったけど、今では軌道に乗ってきたとの笑顔。
そして、真ん中の息子さんの奥さんのネイルサロン。
狙い通りに両方のお客様から引き合いがあるとのこと。
二つの美容室が、それぞれの顔を持ちながら、緩やかにつながる一つの建物。
中庭を挟んで気配を感じつつ、独立性のある空間構成が、存分に活かされているようで、ほんとに嬉しく思います。
こちらこそ、このような光栄な賞をいただき、ほんとにありがとうございました。
これからも、もっと喜んでいただけるよう精進したいとおもいます。
丘の上に建つ別邸
ときどき、思いついた時にブログをアップしておりますが、気がついたら1年。
年始のこの時期が一番、すこし余裕ができるのかもしれません。
あらためて、明けましておめでとうございます。
2018年もよろしくお願いいたします。
さて、今回は、一年ちょっと前に竣工していました、Hill Top Houseをご紹介したいと思います。
文字通り、「丘の上の家」になります。
場所は千葉の市原。
ゴルフ場に隣接する別荘地になります。
ここに最初に訪れたのはもう2015年のこと。
その当時はまだまだ造成工事中でした。
確かに丘の上で眺めは良いのですが、なんだか土木工事現場のど真ん中。振り返ればゴルフコースが遠くの方にちらりと見えます。
こんなところに家が建つのか??という感じもしなくもありません。
それから月日は過ぎて造成も落ち着き、次第にこの地域にも少しずつ建物が立ち上がってきます。
それにあわせて、この建物の工事も始まりました。南北方向に長い敷地に合わせて、南北に開けた構造になっています。
どういう工夫がされているかと言うと、棟の部分を支える柱がなく、両脇からテンションロッドで引っ張って、外倒れを防ぐ構造になっているのです。
真ん中に柱がないのがわかりますでしょうか?
そして、両脇から細い金属製のロッドが水平に渡されています。
両脇には幅60センチの間隔で控え壁として水平方向に対抗する耐力壁を並べたことから、この建物の筒状の構造体が形成されています。
そういった構造の工夫が素直に外観に現れているのが、今回のプロジェクトの特徴です。
こういった工夫をしているため、内部空間は柱のないノビノビとした空間にすることができました。
無柱なだけではありません。さらに吹抜けも加わったダイナミックな空間になっています。
そしてやはり別荘地ですから、欠かせないのは暖炉。薪ストーブを吹抜けに合わせて設置しています。
暖炉に向けて段差があり、そこに腰掛けてゆらゆらと揺れる炎を眺めながら、ゆったりとした時間を過ごします。
暖炉は土間になっており、南側のインナーテラス、東側の中庭に自由に行き来ができるようになっています。
中央にある鉄骨階段から2階に上がると、吹抜けに面して部屋が設けられています。
南側の空間には書斎も設置。
振り返って吹抜けから北側を見渡すと、、、
宙に浮いたようなベッドルームが配置されています。。
そして、木の羽目板を張られた内装は、木目を残しつつも薄ーくホワイトに塗装。
柱や梁や床の茶色とコントラストを生み出し、モダンながらもオーガニックな雰囲気にまとめられています。
最近、施主から「別荘ライフをたのしんでいます〜」とメッセージを頂きました。
とっても嬉しいです。
時の経過とともに徐々に景観になじんで行く、、くつろぎの住まいです。
マンションのリノベーション
去年の夏に工事を行なって、9月には引き渡していたプロジェクト。
Reism-Box
について今回はご紹介します。
これは、既存のマンションの一室をリノベーションしたプロジェクトです。
成城駅の目の前という素晴らしいロケーションにありながら、元の内装たとてもイケてない悲惨なものでした。。
築44年も経っているものですから、これも仕方が無いかもしれません。
ただし、何回か改装はしていたらしいのですが、既存の状態はどんな風だったか写真をちょっと紹介。
うーん、冴えないカウンターがあります。
窓の方を向いても。。
ミスマッチな障子が冴えません。。
プランを見てみましょう。
こんなような、典型的な2DKの間取りで中途半端なサイズ。
どの部屋も6畳の広さで割り振ってしまい、どの部屋でも6畳以上の広さを感じません。
これをなんとか改善し、今のニーズに合わせて間取りを大胆に作り直そうというのが大きな目的でした。
そこで、こんな風にリノベーションです。
おわかりでしょうか?
個室を無くしてしまい、水廻りを入れたボックスだけを配置して、あとは自由に行き来できるプランに変更しました。
その結果、広々とした空間が現れました。
床や壁も大胆にスケルトン現しです。
玄関部分から入ると、自転車や乳母車なども楽々置ける広々とした土間があります。
そして、反対側にはシンプルながら、ノビノビとしたキッチンがあります。
このプロジェクトは、ずいぶんと前から続けさせていただいているプロジェクトで、4つのプロトタイプ:BOX、Wall、Wrap、Floatで構成されています。
いままで16件を行なってきましたので、今回のもので17番目のプロトタイプになりました。
また機会があればチャレンジしたいと思います。