今回の記事はあまりスケートと関係無いかも知れません。
でも、もしかしたら意外に関係があるかも知れない・・・?
いつも読んでいるメールマガジンの記事に、先日、とても面白いと思ったコラムがありました。
(転載自由という事ですので、一部取り上げさせていただきます)
書かれたのは評論家の岡田斗司夫(おかだとしお)さん。
かつて、オタク文化の伝道師として有名だった方で、一時話題になったレコーディングダイエット本の著者でもあります。
コラムのタイトルは、
「『ハンターハンター』なんて、再開しなければいいのに」というもの。
今回は読者からの質問(というかお悩み相談?)に、岡田氏が答えるという形式になっています。
ご存知の方も沢山おられるかも知れませんが、『ハンターハンター』というのは富樫義博さんの連載されている人気冒険漫画です。
作品自体のストーリーの説明はここでは省略します。
それで、質問の要約を書きますと・・・
質問者は『ハンターハンター』が大好きで、連載時のマンガのページをファイリングするほどのファン。
これまでも度々の休載があったにもかかわらず、内容のクオリティを下げられるくらいなら休んで欲しい、描いてくださるならどれだけでも待つ・・・というほどの熱心さで読んでいた。
ところが、最近の2年3カ月にも及ぶ休載はさすがに耐えがたかった。それで「富樫先生は、これ以上は続きを描く気がないんだ」と思い、諦めていた。けれど再び連載は再開された。
質問者は、本来なら喜ぶべきところを、「また連載が中止になった時の悲しみ」を想像して、「いっそのこと、もう再開しないでほしい」などと思ってしまった。それでも掲載された作品を読むととても面白くて、読んで良かったと心から感じる。
つい最近、コミックスの最新刊が発売されたけれど、とても嬉しい反面、何だか虚しい気持ちにもなってしまう。感情を大きく動かされることに疲れて、最早『ハンターハンター』の文字を見るだけで目を逸らしたくなる自分がいる。
以前のように連載再開を素直に喜びたいけれど、またいつ休載になるかも知れないと思うとやりきれない。果たして著者はこの作品を最後まで描ききってくれるのでしょうか?
・・・とまあ、大体こんな内容なんです。
一見面白い質問にも思えますが、結構切実なものを感じますね。
ワタシもお話の世界が大好きなので、こういう気持ちはとてもよく分かります。
そして、この質問に対する岡田氏の答えはこうです。
要所だけ抜粋して書きます。
結論から言うと、最後まで描く気があるから、どんなに辛くても続けてるわけだよね。
ポイントは「必ず復活してくる」という所なんだよ。
他の漫画家とも熱量が違うし、「あんな漫画を描いていたら、休むのは仕方が無い」と僕は思っているんだよね。
小銭を稼ぐつもりだったら、漫画を描くよりポスターとか書き下ろしイラストとかの方が絶対に楽なんだからさ。
『ハンターハンター』って、後ろにいくにつれて難易度が上がっちゃってるんだよ。
(中略)
そして今のところは、そのハードルを何とかクリアしてるんだよ。
(中略)
だから最後まで描く気はあると思うよ。
そして最後に、このコラム恒例の形式として、こう括られています。
【まとめ】
小銭を稼ぐのが目的なら、もっと楽な方法があります。
ハードルが上がっても、辛くても続けているのですから、最後まで描く気はあると思います。
以上です。いかがでしょうか・・・
ここまで読まれて、つまらないと思われたらごめんなさい。
ワタシは先ず、この漫画が大好きでどうしょうもなくて、のめり込むあまりに苦しくてたまらなくなる切実なファンの気持ちにとても感情移入してしまいました。同時に、岡田氏の明快な答えに感銘を受けました。
質問と答えを続けて読んでいると、それ自体が一つのストーリーになっているようで、読後には不思議な爽快感すら覚えるのです。
質問者のいわば「迷い」に対して、岡田氏は「真理」でもって答えられている。それはかつて、氏がアニメ制作の現場に身を置いていた経験から悟られたと思われる「クリエイターの魂」の本質でもあるのでしょう。
どのようなジャンルにおいても、表現者が何かを作り上げたい、目標とする場所へ辿り着きたいと努力するその一番の理由は、誰の為でもなく自らの為なのだと思います。
自分が思い描いている理想の、あるいはそれ以上に素晴らしくて新しい世界。そんな世界を自分自身が見てみたいと思う、純粋にただそれだけの為に、時に無謀とも思えるほどハードルを高く設定して、辛くとも諦めずに走り続ける。
但しこれは、ごく限られた人間にしか足を踏み入れることの出来ない、とても過酷な領域なのかも知れませんが・・・。
コラム自体はとても短いものですが(コラムの大元は有料コンテンツとして別に設定されているので)
今回ワタシはこれを読んでいて、何かとても深く得難いものを再確認した気持ちになりました。
そして今、新たな境地を目指して再びスタートラインに立とうとしている彼の地の人のことを思い出して、彼が切り開く、新しい世界を見てみたいと、そう強く感じたのです。
「岡田斗司夫の毎日メルマガ」URL:http://www.mag2.com/m/0001148694.html
「もし公園で宮崎駿に会ったらどう対処するのが正しいか?」など、毎日何が飛び出すか分からない楽しい時事コラム。
ただし、基本的にマニアックな路線には違いないので、肌に合わない方にはおすすめ出来ませんけれども・・・。
最後まで読んでいただいてありがとうございます。
画像はお借りしました。
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