前々回にELMO HOPEを取上げた時に気になった"HANK MOBLEYとJOHN COLTRANEの共演"について調べたところ、全部で4回ありました。

 

 

INFORMAL JAZZ / ELMO HOPE SEXTET (PRESTIGE LP 7043) 

 

ELMO HOPEのリーダー作ですが、再発時に『TWO TENORS』にタイトルを変えたようにHANK MOBLEYとJOHN COLTRANEの二人のテナー奏者に焦点を当てた作品として捉えても違和感は全くなく、特に「WEEJA」と「ON IT」では両者の掛け合いが聴けます。これはCOLTRANEがMILES DAVIS QUINTETの一員として行ったマラソン・セッションの4日前(1957年5月7日)の録音で、飛躍的な成長を見せた時期、当時、JAZZ MESSENGERSの花形テナーとして、既に2枚のリーダー・アルバムを吹き込んでいたHANK MOBLEYと対等以上のバトルを繰り広げています。

 

『TWO TENORS』とタイトルを変えて3度も再発されています。

 

 

 

 

TENOR CONCLAVE (PRESTIGE LP 7074)

 

こちらはMOBLEY、COLTRANEにAL & ZOOTの4テナー、リズムセクションにRED GARLAND、PAUL CHAMBERS、ART TAYLORと一流どころを配した豪華絢爛なセッションになっています。しかしながら、4本のテナーが代わる代わる取るソロは、各奏者の判別はつくものの、長すぎて途中で飽きてしまいます。お楽しみのチェイス部分も、延々と続くと・・・。むしろ唯一のバラードで、各人のソロの聴き比べやチェイスを意識していない「HOW DEEP IS THE OCEAN」に惹かれます。合奏部の面白味は、ありますが4人のテナーは不要、MOBLEYとCOLTRANEだけで良かったと思います。

 

 

 

 

A BLOWING SESSION / JOHNNY GRIFFIN (BLUE NOTE 1559)

 

MOBLEY、COLTRANEの他はJOHNNY GRIFFINにLEE MORGAN。リズム隊はWYNTON KELLY、PAUL CHAMBERSにART BLAKEY。ドラムスにART BLAKEYを配したのは大正解で、これだけ強力なフロント陣に臆することなく戦えるのはBLAKEY以外には考えられません。COLTRANEですら、このアルバムの主役のGRIFFIN、飛ぶ鳥を落とす勢いだったLEE MORGAN、煽りまくるBLAKEYの前では印象が薄く、ましてMOBLEYは・・・・もっとも、この時点でCOLTRANEは、未だリーダー作がない状態ながら判別可能なスタイルは確立されていて、末恐ろしさを他のメンバーも十分に感じ取っていたことでしょう。

 

 

 

 

SOMEDAY MY PRINCE WILL COME / MILES DAVIS (COLUMBIA CS 8456)

シュリンクが残ったままなので見づらくて申し訳ありません。

COLTRANEはタイトル曲と「TEO」の2曲のみ参加、しかも「TEO」ではMOBLEYが抜けているので、両者の共演はタイトル曲のみ。しかし、その1曲がCOLTRANEのCOLTRANEたる実力を余すことなく伝えていて、存在感は半端ありません。何度もテイクを重ねたようでMILES、KELLY、MOBLEYも完璧です。でも、この曲ハイライトはKELLYのあとのモーダルなCOLTRANEのソロでしょう。それにしてもWYNTON KELLYのピアノの素敵なこと、RVG録音では、こういうキラキラした音は出せません。