フォークギターに小型マイクを内蔵させた(エレアコ)独特のサウンドとワールド・ミュージック的な選曲でレア・グルーヴ系で人気のGABOR SZABO(ガボール ザボ)、大好きな英国のDAVY GRAHAMに似ている部分があり、気になるギタリストです。一般的にはジャズ・ギタリストとして捉えられることが多いのですが、意外にもジャズ色は強くありません。

 

 

 

SKYLARK / PAUL DESMOND (CTI 6039)

 

GABOR SZABO(ガボール ザボ)に興味を持ったのは1974年のPAUL DESMONDのこのアルバム、取り分け「ROMANCE DE AMOR」(禁じられた遊び)を聴いたことから。ジャズでは取り上げることが滅多にない名曲を、哀愁を帯びたPAUL DESMONDのアルトと、ちょっと怪しげでエキゾティックなGABOR SZABOのギターが織りなすサウンドは、 DESMONDが長く相棒としたJIM HALLやED BICKERTらの純粋なジャズ・ギタリストとのものとは一線を画し、釘付けになること間違いなし。

 

 

 

 

SPELLBINDER / GABOR SZABO (IMPULSE A-9123)

 

GABOR SZABOの名を一躍有名にした「GYPSY QUEEN」を含む2NDアルバム。本人のギターの演奏自体は、エキゾティックだけどスウィングしないため、パーカッションの力を借りて曲全体に躍動感を持たせる手法は、SANTANAと同じで、あの官能的なギターを弾くCARLOS SANTANAが一番影響を受けたのがGABOR SZABOというのも納得できます。「MY FOOLISH HEART」や「AUTUMN LEAVES」「WITCHCRAFT」とジャズファンにもお馴染みのスタンダードをWILLIE BOBOらのラテン・パーカッションをバックに、情感たっぷりのSZABOのギターが躍動します。オーソドックスなジャズギターばかり聴いてきた耳には、とても新鮮に響きます。

 

 

 

 

折角なのでSZABOが脚光を浴びる、きっかけになった「GYPSY QUEEN」を含むSANTANAのアルバムを・・・。

 

ABRAXAS / SANTANA (SANTANA KC 30130)

 

ラテンロックというジャンルの創始者、SANTANAの代表作でベストセラー作品。GABOR SZABOの「GYPSY QUEEN」は「BLACK MAGIC WOMAN」に続いてメドレーで流れますが「BLACK~」と次のTITO PUENTEの「OYE COMO VA」(僕のリズムを聴いてくれ)の印象が強すぎて、高校生の時(50年前)には、ほとんど印象に残りませんでした。「SAMBA PA TI」(君に捧げるサンバ)「INCIDENT AT NESHABUR」(ネシャブールの出来事)と、他の曲も名曲揃いなので仕方がないことと自分を納得させています。ちなみにSANTANAは、手元に1~4作目の『CARAVANSERAI』迄ありますが、中では『SANTANA Ⅲ』が一番好きです。

 

 

GABOR SZABOのレコードは、他にも何枚か所有しています。でも、はっきり言って玉石混交、ほとんど聴かずに、ほったらかしの物もあるので、別の機会に改めて取り上げます。