RED GARLANDのホーンが入らない、ピアノトリオ作品では『GROOVY』までの最初の3作品や『AT THE PRELUDE』が有名ですが、それ以外にも素敵なアルバムがあります。
 

ALL KINDS OF WEATHER (PRESTIGE 7148)

 

リズム隊はPAUL CHAMBERSとART TAYLOR、全体的にシングル・トーンの、しっとりと落ち着いた雰囲気が漂うアルバムですが、中には「RAIN」や「WINTER WONDERLAND」のように、お得意のブロックコードを散りばめた楽しい曲もあって飽きることなく聴かせてくれます。およそ、モダンジャズの企画ものにはハズレが多い中、この「天候」をテーマにしたアルバムは、例外的に流れがスムーズで違和感のない佳作に仕上がっています。

 

 

 

RED IN BLUES-VILLE(STATUS 7157)

 

もちろんオリジナルはPRESTIGE 7157番。以前、キズ盤のステレオ(黒銀)を持っていましたが、処分。いずれモノラル盤の綺麗なものをと思っていましたが、いつの間にか、この辺りも、ビックリするくらい高額になっていて、なかなか入手できず、結局STATUS盤で妥協しました。RVG刻印で、ほぼミント状態なこともあり、音を含め不満はありません。

タイトルどおりブルースが中心なため、ベースを重厚なSAM JONESに替えたのは成功でした。どうってことのないアルバムですが、不思議と飽きることなく聴き続けられる、そんな一枚です。

 

 

 

WHEN THERE ARE GREY SKIES(PRESTIGE PR 7258)

オリジナルはイエロー・ニュージャージー、手持ちのブルー・トライデントはセカンド。

不思議と昔から日本で人気のある盤。『QUIET KENNY』などとともに、この手の陰鬱な雰囲気の盤は、ある年齢以上の日本人に好まれます。タイトルの「WHEN THERE ARE GREY SKIES」も、黄昏時のRED GARLANDの虚ろな表情を切り取ったジャケットも、物悲しい「ST.JAMES INFIRMARY」「NOBODY KNOWS THE TROUBLE I SEE」も全て、このレコードのコンセプトにマッチしています。GARLANDは、このアルバムを録音後、ジャズ界から引退、10年後に再デビューしますが、再デビューしなければ、これがラスト・アルバムのはずで、後ろ髪を引かれるような、なんとも寂しい終焉はリスナーの心に深く刻まれました。