BLUE NOTE、PRESTIGEに続き、その他のレーベルに録音されたBENNIE GREENのアルバムを検証します。

 

 

BENNIE GREEN(TIME 52021)

 

TIMEレーベルに録音されたBENNIE GREENのリーダー作ですが、リスナーの関心は、もっぱらSONNY CLARKの参加と「IT’S TIME」と誤記された「COOL STRUTTIN’」、「SONNY’S CRIP」と誤記された「SONNY’S CRIB」、更に「COOL STRUTTIN‘」と誤記された「BLUE MINOR」と CLARKの名曲が3曲も含まれていることに尽きるでしょう。ところが全くと言って良いほどレコード自体は話題に上りません。原因は無名のドラマー(ALFRED DREAES)が弱いこと。ボンゴを入れて補強していますが、サウンドが全体に安っぽくなってしまいました。テナーのJIMMY FORESTは十分期待に応えるレベルだけに残念です。オリジナルはダブル・ジャケット、手持ちはシングル・ジャケです。

 

 

 

 

GLIDIN’ ALONG (JAZZLAND JLP 43)

シールドが残っているためジャケ写真が見づらくなっています。

JAZZLANDに吹き込んだ本作は、当時のRIVERSIDE系のハウス・サキソニストのJOHNNY GRIFFINが相棒です。でも残念ながら、どのテナー奏者よりも相性が良くないように思います。原因はGRIFFINのテナーの音色と音量が、他のテナー奏者よりトロンボーンに近いため、メリハリが感じられないのです。これはGRIFFINのせいではなく、プロデューサーや録音技師のせいかもしれません。スケールが大きかったBLUE NOTE盤に比べると、小さくまとまってGREENの良さが出ていません。

 

 

 

 

HORNFUL OF SOUL (BETHLEHEM BCP 6054)

 

何故 BENNIE GREENは、コンガ・チャカポカを多用したのでしょうか?リズムを強くしたいのであれば、ドラマーに猛者を配置すれば良いのに・・・。中にはコンガが入っていない良い曲もありますが、どうしてもコンガのリズムの印象が強いため、全体にコンガ・チャカポカ・アルバムのイメージが付きまといます。ここでもJIMMY FOREST自体は好演ですが、それすらもコンガに打ち消され、印象は薄くなっています。

 

 

BLUE NOTE、PRESTIGE、その他レーベルと3回に分けてBENNIE GREENのリーダー作を検証しましたが、BLUE NOTEは傑作揃い、PRESTIGEは、やや落ちるも良好、それに比べると他レーベルに吹き込まれた作品は・・・。プロデューサー録音技師によって、こうも印象が変わってしまうのかと、その重要性を再認識しました。