サイドマンとして、ハードバップの中級名盤誕生に、大いに貢献したCHARLIE ROUSE (サイドマン編)の続きです。

 

 

5 BY MONK BY 5 (RIVERSIDE 12-305)

 

録音順からすると、ここでMONK のグループに加入します。拙ブログでCOLUMBIA時代のMONKについては触れていますので、ここではRIVERSIDE時代のものを一枚紹介します。
 

ROUSEとMONKとの共演は『MONK ORCHESTRA AT TOWN HALL』 が最初ですが、大編成バンドの一員としての位置づけであり、本格的にコンビを組むのは、これが最初。ここではコルネットのTHAD JONESとフロントを形成、強烈な個性を放っています。私を含め、多くのリスナーは、COLUMBIA時代を含め膨大にあるROUSE参加のレコーディングをランダムに聴いてきたため、それほど感動が無いのかもしれませんが、最初に、これを聴いたら、多分、ぶっ飛んだでしょうね。RIVERSIDEでは『BRILLIANT CORNERS』、『MONK’S MUSIC』とともにベスト3に入る傑作。SP時代に3分間に集約された名曲が2倍から3倍の長さになっていますが、希薄になることは全くなく、各人のソロ、MONKのコンピング、どれをとっても新鮮です。中でも「ASK ME NOW」、名曲だらけのMONKの楽曲の中でも一番好きな曲。刺激的な曲が多いMONKの中では、異例の強張った筋肉が弛緩する曲で、秋の日の夕暮れに、ぼんやりと遠い過去の思い出に浸っているような、そんな感じで和みます。

 

 

 

 

TAYLOR’S TENORS / ART TAYLOR (NEW JAZZ 8219)

 

長年の愛聴盤で、他の項目で何度も取上げたので、今回は外そうかとも思いましたが、やっぱり無理ですね。音色も非常によく似ているCHARLIE ROUSEとFRANK FOSTERをフロントに、WALTER DAVISとSAM JONESを従えたART TAYLORのリーダー作。録音は『5 BY MONK BY 5』と同じ1959年6月。MONK QUARTETに加入したばかりで、ここで演奏している「RHYTHM-A NING」や「STRAIGHT NO CHASER」はMONK QUARTETのライブの定番曲でもあり、さぞや練習したのでしょう、既に自家薬籠中のものになっています。2テナーは刺激的で、WALTER DAVISも特にMONKを意識することもなく淡々と演奏、いつ聴いても新鮮味を感じるアルバムです。

 

 

 

 

LEAPIN’ AND LOPIN’(BLUE NOTE 4091)

 

SONNY CLARK、31歳の若さで亡くなる1年前の最後のリーダー・アルバム。とても30代前半とは思えないほど、老成した内容で、人生を達観しているかのよう・・。それが一番良く表れている曲が「DEEP IN A DREAM」で、この曲だけROUSEの替わりにIKE QUEBECが参加、このアルバムは「DEEP IN A DREAM」で語られることが多いため、ROUSEにすれば、一番おいしいところを攫われたような感じですが、ROUSEがテナーの他の5曲も十分素晴らしく、何ら引けを取るものではありません。あまりにも短いSONNY CLARKの人生でしたが、これは1961年11月録音の純粋なハードバップであり、時代背景を考えると、時代遅れの音楽になりつつあった時期で、酷なようですが、CLARKには、これ以上、一線級に留まる活躍は望めなかったと思います。 

 

 

 

 

LES LIAISONS DANGEREUSES / DUKE JORDAN (PARKER PLP-813)

 

JAZZ MESSENGERSバージョンが有名な、ご存知『危険な関係』のサントラ。「NO PROBLEM」の作者のDUKE JORDANはオリジナルのJAZZ MESSENGERSバージョンでは著作権が認められず、2年後の1962年に改めて自己のクインテットを率いて発売し直したもの。内容を単純に比較すればJAZZ MESSENGERSバージョンを凌ぐ演奏で、抜擢されたROUSEも大いに貢献しています。但し「音」が、やや籠り気味なのが残念です。

 

 

他にも『GETTING’ INTO SOMETHIN’』 (EPIC LA 16011)や『JUST WAILIN‘』(NEW JAZZ 8211)等でもROUSEの好演が聴けます。