JAZZLANDの“隠れ名盤”(1)の続きです。

 

THELONIOUS MONK WITH JOHN COLTRANE (JAZZLAND JLP 46)

 

伝説のMONKとCOLTRANEの共演。RIVERSIDEの『THELONIOUS HIMSELF』(RIVERSIDE 235)に、カルテット演奏の「MONK’S MOOD」が既に収録されていましたが、ここでは新たに「RUBY、MY DEAR」、「TRINKLE、TINKLE」、「NUTTY」の3曲が陽の目を見ました。MONKとCOLTRANEの共演は後に、発掘盤として幾つかのライブアルバムが世に出ますが、このスタジオ録音の4曲のインパクトには遠く及ばなかったと思います。アルバム1枚分の録音が無いため、残りを『MONK’S MUSIC』(RIVERSIDE 242)や前出『THELONIOUS HIMSELF』の曲で埋めていますが、いずれも別テイクで入手を躊躇う必要はありません。

 

 

 

BEARCAT / CLIFFORD JORDAN QUARTET (JAZZLAND JLP 69)

 

STRATA-EASTの名盤、『CLIFFORD JORDAN IN THE WORLD』を連想させる、退廃した雰囲気が漂うJORDANの大傑作。 デビュー直後のBLUE NOTE 1500番台の3枚の秀逸なアルバムと比べると、RIVERSIDEやJAZZLANDの諸作は“普通のテナーマン”然としていますが、中では飛びぬけて印象深いアルバムです。ワンホーンなので“朗々と鳴る”JORDANのテナーの魅力を思う存分に楽しめます。

 

 

 

 

TAKE TWELVE / LEE MORGAN (JAZZLAND 980)

 

何故こんなところにLEE MORGANのアルバムがあるのか不思議です。VEE-JAYのMORGANのアルバムに参加したCLIFFORD JORDAN繋がりでしょうか?さすがMORGAN、溌溂として気品があり、一級品の匂いがします。録音は「A WALTZ FOR FRAN」のようなスロー・バラードでは高音が良く伸びていますが、他のアップテンポの曲では、音が籠っていて、どうしてもRVG録音のBLUE NOTE盤と比較するため印象は悪くなります。所有盤はステレオ、しかも再発。レーベルがオレンジ色のモノラル盤が欲しかったのですが、結局入手できず。

 

 

 

 

RED’S GOOD GROOVE / RED GARLAND QUINTET (JAZZLAND AM 87)

 

RED GARLANDはJAZZLANDに4枚のレコーディングがあり、中では管楽器の入った本作が最も楽しめると思います。PRESTIGEに大量の録音を残した後、JAZZLANDに移籍、その後は70年代に復活するまで、第一線から退きます。当代一のMILES DAVIS QUINTETの一員として活躍していたのに、時代の流れは速く、それも、かつての親分MILESが持ち込んだ“MODE”という新しいジャズの台頭で「あっ」という間に、GARLANDは頂点の座から転げ落ちることになります。ここには“MODE”は微塵も感じられず、あの楽しいハードバップが存分に聴けます。フロント陣のBLUE MITCHELLとPEPPER ADAMSも好演、特にADAMSが終始、抑え気味にバリトンを演奏したのが、好結果に繋がったと思います。

 

 

最後に一言。JAZZLANDレーベルには、紹介したような“隠れ名盤”が多いも、全体的には玉石混交。駄盤も多いので注意が必要です。