以前、LEE KONITZの『INSIDE HI-FI』の米ATLANTICオリジナル盤の音(RVG録音・但しマスタリングはRVGではありません)に、どうしても納得いかなかったので、仏VERSAILLES盤を入手したら音圧が高く、BILLY BAUERのギターの音がクリアで溜飲を下げましたが、味を占め二匹目の泥鰌を狙った結果は・・・・・。

 

 *INSIDE HI-FIの「音」

 

 

 

 

LEE KONITZ WITH WARNE MARSH(ATLANTIC 1217)

 

 

EP盤(ATLANTIC EP551)TOPSY / DONNA LEE

EP盤(ATLANTIC EP552) TWO NOT ONE / I CAN'T GET STARTED / RONNIE'S LINE

 

ATLANTICの1200番台のオリジナル盤の「カチッ」としてコーティングの効いた重厚なジャケット。ジャケットの作りはBLUE NOTEの1500番台後半にも負けない丁寧な作りで、しかも名カメラマンWILLIAM CLAXTONの写真が素敵で、メンバーもLEE KONITZ、WARNE MARSHらのトリスターノ派に、OSCAR PETTIFORD、KENNY CLARKEのベテラン・リズム陣、曲目は、A面にTOPSYはじめモダンジャズの名曲を配置、否が応でも期待が高まります。

 

しかし「TOPSY」の最初の一音を聴いただけで「・・・・・・・」、もうちょっと何とかならなかったのか・・・「音」以外の全ての条件がクリアされているだけに、録音・マスタリング次第で凄い名盤になっていたはずと何度思ったことか・・・・で2匹目の泥鰌を狙って仏・VERSAILLES盤に期待しましたが・・・・。

 

 

 

LEE KONITZ WITH WARNE MARSH(VERSAILLES MEDX 12001)

 

フランスは芸術の国、かつてSONNY ROLLINSやKINKSの仏盤DIFF.ジャケを集めていたのは、BARCLAYやVOGUEのデザインが垢抜けていたから。しかし、このインベーダーのようなVERSAILLESのジャケには、物珍しいものの食指は動きません。

 

肝心な「音」についてですが、ATLANTIC盤よりは若干、カッティング・レベルが高く、音も、やや鮮やかですが大騒ぎするほどでは、ありません。BARCLAYのような魅了するジャケットならともかく、入手はお薦めしません。

 

 

およそモダンジャズのオリジナル盤を蒐集していると、RVGの音に慣らされる(毒される?)あまり、他のカッティング・レベルの低いレコードに遭遇すると「オリジナル盤なのに・・・」と、ついつい文句を付けたくなりますが、ATLANTIC盤もRVGカッティングのレコードを聴くときより、少しだけボリュームを上げて聴けば、それなりに満足できます。以前にも記したように各レーベルには、それぞれの音の特徴があって、全部が全部RVG録音・マスタリングだと個性がなくなってしまうという意見には賛成です。