BLUE LIGHTS VOL.1 / KENNY BURRELL (BLUE NOTE 1596)

 

PRESTIGEには、この手のオールスター・セッションが、たくさんありますが、BLUE NOTEにはJONNEY GRIFFIN、COLTRANE、MOBLEYによる、まさに『A BLOWING SESSION』(BLUE NOTE1559)というタイトルのアルバムがありますが、それとJIMMY SMITHの何枚かを除けば、思い浮かびません。良く言えば、それだけキチンとした作品を作り上げていたということでしょう。

 

ブローイング・セッションといっても、BLUE NOTEの場合は、構成が良く練られていて、多分リハーサルも重ねていたのでしょう、PRESTIGEの一部のセッションのように、簡単な打ち合わせだけでスタートし、「 いつまで続くの?」といった、ゆるゆる感、ダラダラ感は全くありません。

 

 

トランペットにLOUIS SMITH、テナーがJUNIOR COOKTINA BROOKS、ピアノがBOBBY TIMMONSとDUKE JORDANSAM JONESのベースにART BLAKEYKENNY BURRELLの布陣。このメンバーが編成を替え5つの組合せで演奏しています。

 

1596,1597番の2枚で全8曲。普通8曲もあると、どうでも良い曲が、必ず2~3曲は含まれていますが、このセッションは極めて質が高く、捨て曲がありません。名盤の宝庫であるBLUE NOTEのメイン1500番台に1596、1597番と2枚もレコードを残したことが何よりの証拠です。

 

 

 

BLUE LIGHTS VOL.2 / KENNY BURRELL (BLUE NOTE 1597)

VOL.2に関しては、溝あり盤は極めてレア

 

連番だからといって同時に発売されたわけでは、ありません。内容には自信があっても、地味なメンバーのため、思惑どおりには売上が上がらなかったのか、1597番が発売されたのは1596番(1958年7月)から3年後1961年10月でした。

 

BURRELL作の「PHINUPI」はTRANSITIONの『WATKINS AT LARGE』でも演奏されていて BURRELLの他にDUKE JORDANも参加、またLOUIS SMITHのリーダー作もTRANSITION倒産のためテープを買い取ってBLUE NOTEの1584番として発売する等、TRANSITIONとは、いろいろ因縁があります。

 

アンディ・ウォーホルジャケット・デザインが秀逸なことで有名なレコードですが、内容も抜群です。

 

 

1597番の発売は遅れたものの、相性が良かったのかKENNY BURRELLは、この時のメンバーのTINA BROOKSBOBBY TIMMONSART BLAKEYにベースのBEN TUCKERを加えた布陣でライブ・アルバムを吹き込みます。(一部BOBBY TIMMONS➡ROLAND HANAに変更)

 

 

ON VIEW AT THE FIVE SPOT CAFÉ / KENNY BURRELL WITH ART BLAKEY (BLUE NOTE 4021)

 

メンバーだけ見ると1596、1597番の続編のような印象を受けます。でもピアノがBOBBY TIMMONSからROLAND HANAに替わった曲(2曲)が、全く違う印象を受けるのは、TINA BROOKS抜きのカルテット演奏であること以上に、この頃のBOBBY TIMMONS+ART BLAKEY=JAZZ MESSENGERSというイメージが出来上がっているからだと思います。実際「MOANIN’」の大ヒットで絶好調のTIMMONSが参加した曲の方が圧倒的にファンキーで楽しいのです。

TINA BROOKSはワン・ホーンですが、ギターやピアノに比べると出番が少なく、ライブ演奏ということもあり、やや粗さが目立ち、名盤『TRUE BLUE』で聴けるような愁いを含んだ蒼い魅力は、まだありません.