SAVOYというレーベルは、そのジャケット(モノクロ・ジャケットですら)からか、古臭い、垢抜けない、野暮ったい、安っぽいと言った印象が、ずっと付きまとっていて、かなりオリジナル盤の蒐集が進んだ時点でも所有しているSAVOYのオリジナル盤は、LEE MORGANHANK MOBLEYだけなんてことがありました。もちろん『BLUES-ETTE』は超有名盤、国内盤は持っていましたし、ジャズを本格的に聴き始めた40年前に、FM放送やJAZZ喫茶で繰返し、繰返し聴かされました。当時の印象は「BENNY GOLSONは嫌いだけど、この曲(FIVE SPOT AFTER DARK)は例外的に好き」というもの。(今は何の抵抗もありませんが当時はBENNY GOLSONMILESの『WALKIN’』LUCKY THOMPSONのような、うねるテナーは苦手でした) 
 
そんな訳でSAVOYは、蒐集の対象でなかったためかBLUENOTEPRESTIGEをせっせと集めていた時期に『BLUES-ETTE』が廃盤店の壁盤となっていたのを見た記憶がありません。
 
ある日、某組合系ショップで「FIVE SPOT~」がBGMでかかっていました。いやぁ~、家にある国内盤とは全く違う、感動するぐらい艶めかしい「ゴルソン・ハーモニー」が聴こえてきました。壁盤で万円!でした。「これって、こんなに高い盤なの?SAVOYなのに?」意識し始めたのはそれからです。それから遅まきながら国内盤➡茶(RVGなし)➡マルーン・STEREORVG)➡マルーン・MONORVG)と歩を進めてきましたがBLOODY REDX20刻印のオリジナル盤には、いまだ到達していません。手持ちアルバムは、結構良い音だと思いますが、肝心の「FIVE SPOT AFTER DARK」の出だしにガッツが足りないような気がします。
 
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BLUES ETTE』で、もう一つ思いだすのは、10年近く前、レコード(主にオリジナル盤)とオーディオについて、何冊も著書のある某氏が新作オーディオの発表会?にゲスト出演していて何枚かのレコードをかけてウンチクを語る機会に接しました。普段このような会には絶対といって良いくらい参加しませんが、たまたま秋葉原に行く用事があったのと、某氏の本を購入し興味深く読ませていただきましたので「どんな顔してる?」くらいのつもりで行きました。こちらとしては新作オーディオなんて全く興味がなく、某氏がどんなレコードをかけるのか?それ一点に絞って見ていました。脇に抱えてきたレコードが『BLUES ETTE』。これのオリジナル、轟音なんだよなぁ~、流石!と思ったのもつかの間、取り出したレコードはナント国内盤!マルーンのセカンドはちょっと落ちるけどRVG刻印があるし、その程度なら、まぁ許せるけど、レーベル面の図柄も違う近年の国内再発盤でした。「あなたはオリジナル盤云々の著書があるプロでしょ!国内盤には、それなりの情報しか入っていないから、いくら良いオーディオを使っても、それ以上は引き出せないのは知っているはずでしょ!あなたくらいの人なら顔も広いのだから、某組合系やコレクターからオリジナル盤を借りてくれば!,」と心の中でつぶやきながら、オリジナル盤には遠く及ばない国内盤の音に、あきれ返りながら聴いていました。もちろん途中退席、以後某氏の著書は当然購入していません。