SAVOY・・名門レーベルと言われて、数多くの名盤をリリースしていますが、どこか垢抜けないところがあります。特に12インチLPジャケット・・・CLASSICAUTHENTICという表現ができれば良いのですが、どう見ても、そうではなく古色蒼然、野暮ったい・・といった感じを受けます。でも、このレーベル、SP時代にはJ.J.JOHNSONSTAN GETZALLEN EAGERFATS NAVARRODEXTER GORDONLESTER YOUNGと言った大物の初期の貴重な音源の宝庫となっており、中でもPARKER=MILES DAVISについては歴史的な録音が目白押しです。SAVOYにおけるPARKERSP盤は16枚(だと思います・・あと3枚)でDIAL24枚)に比べると少ないのですが、それでも、とても全部を紹介するのは無理なので・・・・今回も独断と偏見で・・・数が少ないだけに残念ながら、さ程独創的な選択はできませんでした。
 
 
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「PARKER’S MOOD」・・・この曲はPARKERの演奏を聴く前にKING PLEASUREのヴォーカリーズ・・・・楽器のソロ部分も歌詞を付けて歌う『KING PLEASURE SINGS PRESTIGE 7128』・・を愛聴していたので、PARKERの演奏を聴いた時は大感激しました。
 
 
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「AH-LEU-CHA」・・・CHARLIEの逆さ読みと言われる題名、もちろんMILESの『ROUND ABOUT MIDNIGHT』の中で知った曲ですが、あのモダンなアルバムの中では「TWO BASS HIT」とともに古臭いBOPの曲のイメージでしたが、原曲を聴くと結構、垢抜けています。まだ成長途中だったCOLTRANEと天才PARKERの差でしょうか?
 
 
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PARKERの真骨頂、超急速なソロの連続。SP音源を詰め込んだLPは、濃さが薄まっているため普通に聴くことが可能ですが、同じ3分のSPを聴くとその濃密さで結構へヴィー。
 
 
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これぞ歴史的名演中の名演。この2曲が両面のSAVOY-573番は必携です。紫のレーベルでも再発(918番)されています。再発レーベルの方がサーフェース・ノイズが少ないので、リアル・オリジナルに拘らなければ紫レーベルをお薦めします。
 
 
 
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これもPARKERの最も得意とする急速調、ついていくMILESも大したもの。「KOKO」は紫レーベル(916番)でも再発されています。
 
SAVOYEQカーブは500HZ / 12DBでトーン・コントロールでの調整は低音(BASS)はそのまま(12時方向)、高音(TREBLE)は、やや上げる(1時か2時方向)です。但し初期のSAVOY(レーベルが走者の図柄・・赤・紫ともにあり)については高音(TREBLE)は9時あたりの方向に絞った方が良いと思います。
 
PARKERのレコードはコレクターの高齢化とともに総体的に価格が低下しています。多くのPARKERコレクターは一つ上の世代、そろそろコレクションの処分を始める年代(70歳以上)でPARKERコレクションが時々、まとまって市場に出ます。ところが私たち以降の年代の多くはモダン・ジャズに傾注しているものの、なかなかPARKERまで遡ることをしないため、明らかに供給過剰と迄はいかないものの、PARKERのオリジナル盤は、かつてのように垂涎の的ではなくなっています。世界最初のJAZZ12インチLPと言われPARKERコレクションの中でも羨望の的となっていたTHE BIRD BLOWS THEBLUESDLP-1』(黒盤)・・・かつてPRICE GUIDEにニア・ミント盤が30006000ドルと記載・・・さえも、私のような大したPARKERファンでもない者の元に一時期あったということ自体、PARKER人気の凋落は明らかでしょう。(PARKERコレクターが一度は手にしてみたいとの伝説がある盤ですが、特に目新しい曲が入っているわけでもなく、SPの方が遥かに迫力あるし、なにより入手したのは針飛びはある、チリチリ・バチバチも激しく聴くたびにストレスが溜まり早々に手放しました)