BLUES SONATA / CHARLIE BYRD (OFFBEAT OLP 3009、93009)
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今回は、過日RECORD HOUSEさんに指摘いただいた『BLUES SONATA』。ずっと持っているだけの盤でしたが、久しぶりに聴いてみたらビックリするくらい良いのです。こういう指摘は、実に嬉しくありがたいですね。

 

私の印象ではCHARIE BYRDの代表作と言えば『BLUES SONATA』だったはずですが、どうも、これが全くの見当違いで、B面で電気ギターを使用した『BLUES~』は、GETZとの有名なボサノバ・アルバム(JAZZ SANBA)同様、全くの異色作であり、真のCHARIE BYRDファン?からすると、これは多分にJAZZ界に媚びた作品として看做されているようです。

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だけど真の?代表作と言われる『AT THE VILLAGE VANGUARD』等のガット(クラシック)ギターを聴いても、ちっとも良さが分かりません。聴きこみが足らない?いや、やっぱり『BLUES SONATA』の方がはるかに好きですね。但し肝心なタイトル曲をガットギターで奏っているA面はほとんど聴きません。CHARLIE BYRD関連の未聴アルバムは沢山ありますが、どうも好きなのは『BLUES SONATA』のB面だけのようです。個人的にはガット(クラシック)ギターはやっぱりJAZZには不向きのように思います。

それにしてもこのB面4曲の流れは最高だなぁ~。
B面が素晴らしいだけに、RECORD HOUSEさんも指摘されていたようにピアノ入りセッションをもっと録音して欲しかった。まぁイメージ的にはCONCORDレーベルの音を10年先取りしRIVERSIDE(OFFBEAT)のスパイスを振りかけたような感じですが・・・・。

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レギュラー・トリオにピアノが加わることにより、音楽の幅がグッと広がりCHARIE BYRDのギターにも余裕が出てきます。特に名手BARRY HARRISの端正なピアノはCHARIE BYRDとの相性が抜群で素晴らしいJAZZ・GUITARアルバムに仕上がっています

 

 

さてMONOとSTEREOの印象の違いについて
ENGINEERはSTEREO録音の名手、RAY FOWLER。名前を見ただけでSTEREOの方が・・・と決めつけがちです。実際B面出だしの「ALEXANDER’S RAGTIME BAND」の最初の一音を聴いただけで「これはもうSTEREOだよねぇ~」となると思います。2~4曲目についてもSTEREO録音としては何の問題もありません、十二分に満足できる内容です。

RAY FOWLERが録音を担当したこと、そしてRECORD HOUSEさんからSTEREOの方が良いというコメントを頂いていて、所有盤もたまたまSTEREO盤でしたので、特にMONOも、という気はまったくありませんでしたが、安価なMONO盤(入手したのはNM状態で4000円、大手中古店では状態未確認ながら1200円!)を見つけたため入手した次第です。

で・・・・音の分離は当然の如くSTEREOの方が当然良く「ALEXANDER’S RAGTIME BAND」はSTEREOの方が良いと思いますが、DUKE JORDANの名曲「JORDU」のMONOは「これCHARLIE BYRDなの?」と疑るくらい迫力がありますし、「THAT OLD DEVIL CALLED LOVE」や「ZING!WENT THE STRINGS OF MY HEART」におけるBARRY HARRISのピアノの音色は、MONOの方が輝いています。苦手のA面もBYRDの意図するところはSTEREOに近いかもしれませんが、迫力やギター操作の詳細な部分はMONOの方が鮮明です。STEREOの方が・・・・と仰ったRECORDHOUSEさんも「JAZZ的にはMONOかもしれない」と注釈されていたように、リスナー側がBYRDに求めるものによって好みは分かれるでしょう。私はMONOの方が好きですね。

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このコーナーは過去にも何度か申し上げているとおり「MONOとSTEREO」に優劣を付けるのが、主目的ではありません。ホントに好きな音楽は別テイクも絶対聴いてみたいなぁ~と思うのと同じく、MONOを入手して気に入ったらSTEREOも聴いてみたい、STEREOが先ならMONOも・・・というのが、コレクターとしては当然だと思い採り上げています。特にRIVERSIDE初期においてはMONOとSTEREOでENGINNIRを変えて録音していますので全く雰囲気が違っている作品も数多く存在します。

 

 

*BLUES SONATA (OFFBEAT OLP 93009)、黒ラベル、両溝、STEREO
*BLUES SONATA (OFFBEAT OLP 3009)、橙ラベル、両溝、MONAURAL
*AT THE VILLAGE VANGUARD (OFFBEAT OLP 3008)、橙ラベル、MONAURAL(ジャケはRIVERSIDE・STEREOのまがい物?)

 

 

◎OFFBEATは、もともとクラシック・レーベルだったようですがRIVERSIDE傘下となり、その後はOFFBEATの名前を使いつつも『BLUES SONATA』まではBILL GRAUER PRODUCTIONで作成されました。ボサノバ・ブームでCHARLIE BYRDに一般的な人気が出たため、OFFBEATの6枚は全てRIVERSIDEレーベルで再発されました。