ジャズファンとしてBLUE NOTEとPRESTIGEを取上げてRIVERSIDEをスル―するのは、ちょっと問題ですので・・・RIVERSIDEのEQカーブについてです。

 

1954年RIAAカーブ統一説に疑問をお持ちの方は「RIVERSIDEは1960年代半ばまでAESカーブ」と指摘しています。AESカーブはトーン・コントロールだと中央値(RIAA)から低音(BASS)をやや抑え気味に、高音(TREBLE)をほんの少し上げるとAESカーブに近づきます。

 

 

ABBEY LINCOLN (RIVERSIDE RLP12-251)

 

本来ならWYNTON KELLYもSONNY ROLLINSのリーダー作も取上げたいのですが、ここにはKELLYもROLLINSも参加しているし、大の愛聴盤でもあるので選択。はっきり言ってAESカーブではダメ。特にLINCOLNのヴォーカルがハイ上がりになって一部で聴きづらさも感じるしROLLINSのテナーも迫力に欠けます。これはRIAAで聴くべきアルバムです。

 

 

 

THE LITTLE GIANT / JOHNNY GRIFFIN (RIVERSIDE 12-304)

 

“やかんの中で鳴っている”とか“緞帳の向こうから聴こえる”と評判の悪い録音と暗い曲調が災いして一部の方に酷評されたレコード。個人的には内容がハード・ボイルドで大好きな作品です。AESカーブを使用することでモゴモゴ感が薄らぎ、全体の暗い雰囲気はかなり改善されました。AESカーブで更に愛聴度が増した一枚。

 

 

 

 

FIVE BY MONK BY FIVE / THELONIOUS MONK (RIVERSIDE RLP12-305)

 

RIVERSIDEのMONKの中では地味な一枚ですが、大好きな作品。なんたって“黄昏のMONK”感たっぷりの「ASK ME NOW」を10分超の長尺で聴けるのが嬉しいのです。AESカーブでも大きな変化は感じられず、迫力があるRIAAの方がベター。

 

 

 

 

THE SOUL SOCIETY / SAM JONES (RIVERSIDE12-324)

 

BLUE NOTE、PRESTIGEのSAM JONES(ともにRVG録音)とRIVERSIDE録音を聴き比べたかったので選出。元々RVERSIDE録音のSAM JONESのベースの音はRIAAカーブでもBLUE NOTEやPRESTIGEのRVG録音よりキレがあり、AESカーブを使うことで微妙にシャープさが増しますが、RIAAでも十分許容範囲。むしろ他の金管楽器がハイ上がりになることの方が問題のためRIAAカーブをお薦めします。

 

 

 

MOON BEAMS / BILL EVANS (EIVERSIDE RLP 428)

 

同じセッションの『HOW MY HEART SINGS!』(RIVERSIDE RM473)とは姉妹アルバムながらバラード中心のこちらが先に世に出たということは、プロデューサーの推しなのでしょう。CHUCK ISRAELSのベースも結構、重厚なのでAESカーブの方が好ましいと思いますが、EVANSのピアノの艶めかしさが、やや薄まるためBASS(低音)はAESと同レベルにしてTREBLE(高音)はRIAAのレベルを維持すれば(そんなカーブはありませんが)理想に近づけるのでは・・・。

 

 

 

BOSS GUITAR / WES MONTGOMERY (RIVERSIDE RM 459)

 

テクニック抜群のWES MONTGOMERYですが、オルガンのMEL RHYNEと組んだ作品はラウンジ・ミュージックを聴いているようで、なごみます。GUTAR-ORGAN-DRUMSの構成でベースレス。AESだと微妙に軽妙になりラウンジ・ミュージックとしては、より向いていますが、オリジナル盤らしいのはRIAAカーブ。

 

 

『ABBY LINCOLN』のようにRIAAが最適なカーブである一方『THE LITTLE GIANT』はAESが向いているように思います。RIAAカーブ統一説に疑問を持つのは一向にかまわないというより、むしろ好ましいことだと思いますが、一概に“○○レーベルは△△カーブ”と決めつけるのは違うと思います。もちろん個人の好みの問題もありますが、ごく一部を検証しただけでも個々のアルバムで異なった結果が出たのが何よりの証拠です。

 

 

今回を以ってRIAA統一以降のEQカーブについては一旦終了とします。RIAA統一直後でカーブの切り替えが間に合わなかったものや、以降に於いても一部は他カーブで聴いたの方が好ましいものがあるのは事実ですが、RIAA統一説を根本から翻すようなものではなく、通常はRIAAで聴いて納得が行かないものについてだけトーン・コントロールで若干の補正を加えれば十分だと思います・・・・これが私なりの結論です。