過去2回に渡り『ANALOG』誌が選出した“音のいいレコード”に言及しましたが、今回は個人的に“音がいい”と思うレコードについてBLUE NOTE、PRESTIGE、RIVERSIDEのモダン・ジャズの3大レーベルから選んでみました。

 

*なお『ANALOG』誌と重複するものは外しました。

 

 

LOU DONALDSON QUINTET / QUARTET (BLUENOTE BLP 5021)

オリジナル10インチLP(RVGは録音・マスタリングには関わっていないのでRVG刻印無し)

 

10インチ2枚から作られた12インチ盤(一部曲オミット)・RVGがリマスタリングしているため手書きRVG刻印あり

 

究極のSP盤・但しRVG録音ではありません。

LOU DONALDSONの初リーダー作の10インチLP。サイドマンとしても、これ以前にMILT JACKSONやMONKとのセッションがあるくらいで実質デビュー作と言っても良いと思います。とても新人とは思えない技量の持ち主ながらデビュー作らしく初々しさが感じられ音には透明感があります。なかでも哀愁漂う「THINGS WE DID LAST SUMMER」は、この曲のベスト・パフォーマンス。オリジナル10インチはRVGがBLUE NOTEの録音を担当する以前の1952年の録音です。後年10インチ2枚をまとめてRVGのリマスタリングを施し『QUARTET,QUINTET,SEXTET』(BLUE NOTE 1537 )として12インチ化されますが、何故か「THINGS WE DID LAST SUMMER」はオミット。RVGのリマスタリングで音圧も迫力も増していますが、DONALDSONのアルトの高音部の伸びや繊細さは10インチの方が勝っています。それに何より肝心の「THINGS WE~」が洩れているので、ここでは敢えて10インチLP を取上げました。 なお「THINGS WE~」のSP盤も所有していますが、さすがに別格の音です。3MILの極太針で片面一曲を78回転で回せば・・・当然と言えば当然ですね。

 

 

 

MEMORIAL ALBUM / CLIFFORD BROWN(BLUE NOTE 1526)

 

CLIFFORD BROWNはMAX ROACHと組んだEMARCY盤の方が有名で人気も高いのですが、EMARCY盤はジャケットも音も古色蒼然としているのに対しBLUE NOTE盤はジャケット・デザインも音もモダン(しかも録音はBLUE NOTEの方が古い)。「EASY LIVING」や「YOU GO TO MY HEAD」等での鮮烈なBROWNのトランペットの音をRVGは良く捉えています。ただ残念なことにオリジナル10インチLP2枚(5030、5032)から作られた本盤は収録時間の関係か、一曲づつ削られています。

 

 

 

NEWK’S TIME / SONNY ROLLINS(BLUE NOTE 4001)

 

今回選んだレコードの中でも、ひときわ高音質、RVG録音の代表的な作品にも挙げられると思います。でも何故か評価の分かれるアルバムのようで、一部の方は若干過激になり始めたROLLINSに違和感があるのでしょう。でも「WONDERFUL!WONDERFUL!」や「NAMELY YOU」はPRESTIGE時代の良く唄うROLLINSを再現していてバランスの取れた良いアルバムだと思います。唯一の欠点はWYNTON KELLY、フレーズも面白くなく調子を崩しているのかROLLINSとの相性が良くないのか?でもKELLYが目立たないおかげでROLLINSとPHILLY JOEが更に輝いたわけで・・・。

 

 

 

COLTRANE / JOHN COLTRANE (PRESTIGE 7105)

 

COLTRANEの作品で最も“音がいい”レコードはIMPULSEにあることに異論がある方は少ないと思います。私も同意見ですが、このレコード冒頭の喧騒な「BAKAI」の後に流れてきた「VIOLETS FOR YOUR FURS」の優しく瑞々しいCOLTRANEのテナーの音に感動したジャズ喫茶での体験が忘れられません。その後、日本盤→セカンドプレスのNEW JERSEY盤→オリジナル盤と入手してきたのも“好きな音楽を良い音で”という自身の音楽鑑賞に対するスタンスに従ったもの。COLTRANEのテナーはRVGの録音・マスタリングで最高に輝きます。

 

 

 

THE TOUGH PIANO TRIO / DREW-CHAMBERS-PHILLY JOE(JAZZLAND JLP 9)

 

オリジナルはRIVERSIDEのKENNY DREW TRIO(RIVERSIDE 224)、レーベル面が白色のファーストプレスは昔から数十万円と高額で手が出ず、セカンドプレス(青色)を持っていました。とにかく冒頭の「CARAVAN」の出だしのPHILLY JOEのドラミングが凄くて、RIVERSIDEに轟音は無いと思っていましたから驚きました。でも、盤の状態が良くなく聴くたびにイライラしたため結局処分。数年前にeBayでJAZZLANDから再発の本盤を見つけましたが、これがナント未開封。でも再発だし、あの轟音は無理だろうと思っていたら、これが凄いのです。RIVERSIDEのオリジナル(白色)でピカピカの盤を探したら、いったい幾らするだろうと考えたら、これで十分満足です。但し「CARAVAN」が凄すぎて、他の曲に同じレベルの感動を期待すると・・・。

 

オリジナルのRIVERSIDE盤(ネットより)

 

 

*3大レーベル以外(但しモダンジャズに限定)については次回に。