「暗黒時代」と揶揄されたJAZZMESSENGERSの後半です。

 

 

 

A MIDNIGHT SESSION(ELEKTORA EKL-120)

 

このアルバムでBLAKEYは、JACKIE McLEAN音楽監督的役割を担わせました。楽曲もPRESTIGEで共演したRAY DRAPERとMAL WALDRONのオリジナル曲で大半を占めていて、McLEANの選曲だったことがわかります。考えてみれば、BILL HARDMANのデビューもMcLEANのPRESTIGEのアルバムでした。予備知識がなく、このアルバムを聴いたら、きっとPRESTIGEのMcLEANのリーダー作だと思うに違いありません。哀愁のメロディが多い好盤も、JAZZ MESSENGERSらしくないアルバム。但しMcLEANファンには必携だと思います。

 

 

 

A NIGHT IN TUNISIA(VIK LX-1115)

 

アルト・サックスのFERRIS BENDAはJACKIE McLEANの変名。このアルバムからJOHNNY GRIFFINが加わり、演奏に厚みが増しました。後のBLUENOTEのMORGAN=SHORTER時代の鮮烈なタイトル曲プレ版が、ここで既に完成しています。「暗黒時代」と揶揄された中では最もMESSENGERらしく完成度も高いアルバム。ややサックスの音が籠っている録音が残念、RVGに録音を依頼していれば有名盤になっていたはずです。

 

 

 

WITH THELONIOUS MONK(ATLANTIC 1278)

 

私はMONKの大ファンですし、ART BLAKEYとは、BLUE NOTEやPRESTIGE時代のセッションでも、最も相性の良い仲であることも認識しています。だから、このレコードには凄く期待していました。でも「期待したのに・・・それほどでも」と感じた要因は、全6曲中5曲がMONKの曲で、しかもライブで定番となっている曲なこと。そのためMONKクインテットを聴いているみたいで、まるで新鮮味がないのです。それとATLANTIC特有の管楽器が籠った録音は、PRESTIGEやBLUE NOTEのRVG録音やクリアなCOLUMBIAの音には太刀打ちできません。そのため極々平凡な作品に、なってしまいました。MESSENGERS側が、選定した曲を中心に、MONKの曲を1曲絡ませれば、随分と違う印象になったと予想できるだけに残念です。フロントはHARDMANとGRIFFIN、McLEANは既に抜けています。

 

 

 

 

HARD DRIVE(BETHLEHEM BCP 6023)

 

「暗黒時代」の最後を飾る作品。当初、覚束なかったサイドマンたちも、作品を重ねるごとに演奏技術が向上、グループとしての一体感も出てきました。BILL HARDMANの成長は著しく、JMのフロントを務めるだけの力量が身につき、問題のあったピアノのSAM DOCKERYは、1曲のみの参加で、手堅いJUNIOR MANCEに替わったのも、大きく影響していると思います。漸く軌道に乗り始めたJMですが、演奏は素晴らしくても、メンバーの楽曲に面白味がなければ、評価されないことを端的に表している作品です。

 

そのことに気付いたBLAKEYは、全メンバーを解雇し、作曲能力の高い BENNY GOLSON、BOBBY TIMMONSと契約、JMの黄金時代へと舵を切ります。