僕の名前を何度呼ぶ気?(CMBYNネタバレ) | ★ワルプルギスの夜★

★ワルプルギスの夜★

つれづれなるままに・・

最初に言っちゃうけど、前の記事のタイトルで
「パンツ被っちゃうほど‥」ってのは間違い

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3回目の劇場観賞で ようやく
「パンツじゃないや、水着だ!」と気づいて苦笑いした
(まぁ、どちらにしてもエリオのやってる事は
アブノーマルな行為に変わり無いんだけどね)

ティモシー・シャラメと言う俳優が凄いのは
エリオのそうした酷くカッコ悪いところや
女子に対する態度の無神経さを度外視して
あぁ、何て愛しい‥!と思わせるところだ

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大好きな相手の前で、鼻血を出したり、酔って吐いたり
(桃の扱いとか‥!)
初Hした女子に「3日も連絡くれない」と言われて
ロクな言い訳も思いつかず、取り繕うのも放棄するとか
(だって、悪いけど、今それどころじゃないんだ僕‥!)

3度目の劇場観賞後、一晩で原作本を読んだ本
(GW中ならではの無謀な貫徹)
その後2日仕事して、昨晩は久々『ブロークバックマウンテン』を観賞

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もう、自分が「腐」の人かどうか分からなくなってたけど
やっぱり違う事が分かった

私が愛する作品
『ブロークバックマウンテン』も
『シングルマン』も
『君の名前で僕を呼んで』も
よく観ると純粋な同性愛の映画ではなくて

主人公が運命の相手に出会った事で
それまでの婚約者や元カノや女友達との関係とは
全く別次元の恋に落ちる
「もう、彼のいない人生なんて考えられない」と言うように

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いずれも時代背景は同性間の恋愛など認められない頃
(世間に知られれば、犯罪者か精神病患者として扱われる)

身も心も、二つに引き裂かれながら
2人の思い出を糧に前に進む事を決意する者
相手のもとに旅立ってしまう者
20年の月日を経て、出会った頃に回帰する者

それぞれ、相手と共に過ごした濃密な時を
かけがえの無いものと愛しく抱きしめる
そして、3作とも彼らを取り巻く思い出のシーンは
画面の隅々まで、本当にため息が出るほど鮮烈に美しい

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『君の名前で僕を呼んで』の原作本は映画よりも
相当エグいところまで書き込まれているけれど
映画は、小説のエッセンスを残しつつ
作品の真意を完全に尊重して(お父さんが傷心の息子に
語り掛ける場面の台詞はほぼ原作のまま)
二人の美しい時間を上手にすくい上げ
画面に焼き付けている

そして原作では、二人の20年後まで描かれているが
映画が、あのシーンで締めくくられるのは正解だと思った

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ギリシャ彫刻の様な容姿の二人が
神話の世界から、この世に抜け出して来たみたいに
北イタリアのきらめく陽光と水辺とたわわに実る果実の庭を
短パンと自転車で駆け廻る

私がラストシーンより涙腺が緩むのは、
オリヴァーと別れた後、駅のベンチで途方に暮れて
とうとうエリオがママに電話する姿だ

あれほど恋人と情熱的な夜を重ねて
小悪魔な表情も覗かせていた同一人物とは思えないくらい
幼く頼り無い

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胸キュンなシーンは数々あるけれど、
お互いをそれぞれの名前で呼び合う夜を迎える前
嬉しい事が有ると思わずクルクル回っちゃうエリオは
仔犬の様に可愛らしく、相手からのメッセージの紙片に
そっと唇を寄せる仕草はまるで恋する少女だった

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「どうしたんだ?」
「一緒にいたくて‥あ、でも、戻るよ」
「君は、いま僕がどれくらい幸せか分かるか?」

初回の観賞は、エリオが初めて味わう恋のドキドキと同調ドキドキ

2度目は、いつからオリヴァーが
エリオを見つめていたか知っているから
自分を慕って一途に情熱をぶつけて来る少年を
心から大切に思い、自制し、必ず訪れる別れの時への予感を
少しずつ苦い薬を飲むよう味わっている姿に
胸がキリキリ痛んだ

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彼には、エリオの様に励まし支えてくれる両親がいない
2年越しの彼女と全く新しい生活を迎える事でしか
恋しくて堪らない少年の空白を埋める術はなかったのだろう

3度目の観賞は、もう一度エリオの目線で、

初めての恋を知った、あの時、あの瞬間の
空気を、音を、眼差しを、痛みを、喜びを、

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「何ひとつ忘れない」
そう囁いたオリヴァーの言葉と生きて行く
今は、まだ父のメッセージを頭で理解出来ても
感情が追いつかないくらい苦しくて、胸が痛いけれど

僕が彼に差し出した全てと、彼が僕に与えた全部
残らず抱えて生きていく
僕が彼で、彼が僕だった時間を

「エリオ!」

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〈オマケ〉
初回鑑賞で『ブロークバックマウンテン』と
ほんのり同じテイストを感じたのは、大切なアレ

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原作では、被った水着も欲しがってたけど
サスガに貰えたのはシャツだけだったw