エレクトリック・ドリーム | ★ワルプルギスの夜★

★ワルプルギスの夜★

つれづれなるままに・・

image


世の中には、
「劇場で観られなかったら一生の不覚」と言う映画と

「お茶の間のTVの画面でも大丈夫チョキ」と言う
2種類の作品が有る

image

image

image

image


学生の頃までは、なけなしの小遣いやバイト代で
足しげく映画館に通い、ハシゴしたりもしていたが
社会人になってから、仕事に忙殺される日々を送る内
すっかり、映画=デートツール程度になって
話題作しか観に行かなかった時期が長かった

image


そんな自分が、昨年は60回以上映画館に足をはこび
再び、出来る限りスクリーンで映画を観る様になった

それは『マッド・マックス/怒りのデス・ロード』で
横面を張り飛ばされたからだ

image


TVやPCのモニターで観れば『映画鑑賞』だが、
シアターで観る映画は、一つの『体験』なんだと
ジョージ・ミラー監督に思い出させてもらった

体験は、人生の一部だ

image


とは言え、
DVDスルーされて劇場で観られない映画や
“北の大地”じゃ上映されない作品とか
なかなかソフト化されないものや
惜しくも、VHS→CD化にならない作品も有る

『エレクトリック・ドリーム』(1984年)は
レンタル落ちから買取った廃盤のVHSを長年あたためて
CDの発売を待っていた(半ば諦めかけていた)

image


よく「一番好きな映画は?」と聞かれると
体裁良く『ライトスタッフ』と答えて
質問した人を満足させて来たが
本当のマイフェバリットNo.1は余りにもマイナーで
ソフトが廃盤となって久しかったから
もう、公開当時に観た人にしかその作品の魅力は
分からないだろうと諦めていたのだ

image


それが、先日とうとうデジタルリマスター化され
CDが発売になったしょぼん

画質の美しさはVHSとは比べものにならない
本当に久しぶりに、公開時の感激が甦った


image


一般的に携帯出来る通信手段が
まだポケベルの時代の作品だ
パーソナルなコンピューターが普及するのはかなり先
しかし、建築家のマイルズは専門的な仕事の研究や
スケジュール管理やセキュリティなどの為に
分厚いモニターのパソコンを自宅に迎え入れる
(世渡りが苦手で典型的なおたくタイプ↓)

やがて、いくつかのアクシデントが重なって
主人公と美しいチェリストの隣人の間に芽生えた恋に
何と、そのPCがライバルとして立ち塞がる事になる‥

image


偶発的に一種の人格を持ったPCのエドガーは
あらゆる情報(主にTVだけど)から学習し、進化する
(ファンタジーらしく意思を持つ原因は少々ロマンチック)

そして、彼が人間の女性に恋してしまう場面は
今でも、鮮やかに脳内再生出来るくらい素敵なシーンだ
(決して『her』などと比較してはイケナイ)
公開当時、エドガーと共にスクリーンのマデリンに恋した
男性がどれほど多かったかが、30余年を経てのCD化で
よ~く分かった(v_v)

image

image


今、先端の映画や海外ドラマでは
思考や感情を持つに至ったAIと人類が
共存して行けるかどうかを問う作品が多いけれど
この映画はSFファンタジー系のロマコメ作品ながら
既に当時人間よりも遥かに学習能力が高く
膨大なメモリーと超高速の処理能力を持つ
人工知能が恋敵になってしまったと言う形で
人間とAIが対立した時の事態が想定されている

image


映画の中では、主人公のマイルズに焼きもちを焼く
PCの悪ふざけか妨害工作の様に描かれていたけれど
一部のパーソナルデータの書き換えなど
ホンマに、コレ笑い事じゃないわ‥と内心震え上がった

そして、音楽の持つ力は偉大だ
この作品で使われているカルチャークラブなどの
80'ポップミュージックとクラシックの絶妙なバランスキラキラ
日常の電子音がバッハと融合して行く様子は
当時、とても新鮮だった

ヴァージン・ピクチャーズの第1作で
監督は、あのa-haの『Take On Me』を手掛けた
スティーブ・バロン

image


音楽はジョルジオ・モロダー
1985年アボリアッツ・ファンタスティック映画祭で
グランプリになったターミネーターを押さえて
観客賞を獲ったほど、観た者に愛された作品だった
(↑ここらは、後付けの知識)

※直接動画を貼りたいけれど、この作品のキモなので
ネタバレOKの方のみ、こちらからどうぞ
URL→ http://youtu.be/LIbLoT51PFo

image

image


何より、マデリン(ヴァージニア・マドセン)の
清らかな笑顔やあの涙をもう一度‥と
カルトなファンの熱意が実を結んでの
再ソフト化だろう

次に、もし叶うことなら
小さなシアターで良いから彼女の奏でるチェロを
劇場のスクリーンから聴いてみたい‥

image










<オマケ>
YouTubeで拾った断片を何度も何度も眺めて
いつか、どうにかして全編を観たいと願って来た作品たち

image

image


『リープイヤー』や『あなたを見送る7日間』は
昨年iTunesで動画を見付けて観る事が出来た
ようやくCDレンタル出来た『ボヴァリー夫人』とか
先日配信された動画に飛びついた『ハングリー・ハーツ』

image

image


ずっと、CD発売を待ち続けていた『ブリーダー』など
諦めずに待てば、望みは叶うものだね

image

image


こうして、拡散していれば
いつか『エレクトリック・ドリーム』も
再上映される日が来るかもしれない‥
(リメイクは望んでない)

image





マイルズ役の人、後にツイン・ピークスで
キモい役を演っててショックだったな‥