移動の後の会見や公演
慣れない土地での長い1日が終わり
やっとの思いでホテルの部屋に辿り着いた
ベッドにドサッとバックをおろし、自分自身の体も投げ出す
一度体中の力が抜けてしまえば
なかなか次に動くのが難しい
ほんとはシャワーを浴びてさっぱりしたいところだけど
もう少しだけ
そんなことを思いながら
目を閉じる
気持ちの良い疲労感に微睡みながら
またあの場面が甦る
あなたの笑顔
綺麗なあの人の笑顔
どうしたって絵になるふたり
遠退く意識の中でも
僕の胸はチクリと傷む
嫌だな
渦巻く黒い感情
醜い嫉妬
ヒョンの幸せは きっと僕の幸せでもあるはずなのに
それを願えない自分に 溜め息しか出てこないなんて
呆れてしまう
このままじゃ 自分でもコントロール出来なくなる
仕事に支障をきたすことだけは絶対に避けなければ
僕もヒョンと同じ プロなのだから…
「よしっ」
僕は勢いをつけてベッドから起き上がる
自分の感情を捩じ伏せるように
あなたへのこんな想いを振り切るかのように
やめよう
やめようよ
こんなのほんとにどうかしてる
絶対好きになってはいけない相手を
僕はこんなにも
いつのまにか
こんなにも
好きで
好きで…
さっきまで落ち着いていた心も
ユノヒョンのことを考え出すと一気に
嫉妬やら虚しさやら
グチャグチャの感情に支配されて
頭に血が上ったみたいに
目頭が熱くなって
もう
僕はやけくそだった
バックから 気休めで持っているプロテインやリップクリーム、絆創膏など入れた小さなポーチを取り出す
その中から
透明の小さなアトマイザーを抜き取ると
それをギュッと握りしめてバスルームへ向かった