「ヒョン…今朝のメールなんですけど、アレって…」
きた
互いに部屋を後にし、顔を合わせてから今まで
ずっとタイミングを見計らっていた様子のチャンミンが
朝食を取りながら
おずおずとその話を切り出した
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to:チャンミン
○○がお前ともっと話したいって
連絡先教えてもいいか?
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昨夜保存したまま送れなかったメールをチャンミンに送信する
今朝、起きて一番に俺がしたこと
不本意なことをしているからか
なんとなくバツが悪くて
目を合わせられない
突然の出来事
きっと今、君はコトの経緯を知りたがっている
俺は
残り少ないパックの牛乳を絞り出す様に拳で握りつぶし
フーっと息をつく
「そのまんまだよ、彼女お前に興味があるんじゃないか?じゃなかったら俺に仲を取り持ってなんて言わない」
平然を装って
出来るだけフランクな語り口で
そう自分をコントロールしながら
やっと目を見て言えた
「チャンミン…?」
向かい合わせに座るテーブル
しばしの沈黙
フォークを持つ手を止めて
うつむいてじっと自分の手元を見つめる君の 心の内側がさっぱりわからずに
心配になって俺は君の名前を呼ぶ
心を手放した様な表情の君を呼び戻す様にもう一度…
「チャンミ…
「……ョンは………」
2人の声が被さる
俺はそれ以上何も言わずに
弱々しく消え入りそうな呟きに 耳を傾ける
「ヒョンはいいんですか?僕があの人と もし どうにかなっても…そういうことなんでしょ?
ヒョンはそれで嫌じゃないの?」
核心を突いた君の言葉に胸がギュッとなる
お前…それどういう意味だ?
「僕はてっきり、二人は両想いだとばかり思ってましたけど」
そう言うと
俯いたまま瞳だけをこちらに向けて
上目遣いに俺を見る
どことなく拗ねた様な
子ども染みた仕草に胸が揺さぶられる
と同時に チャンミンの質問の持つ正しい意味が俺の淡い期待を打ち砕く
普通に考えればそうだよな
俺とチャンミンは男同士で所詮は俺の独りよがり
チャンミンの中での重点はあくまで彼女で
俺の中での重点は やっぱり チャンミンなのだと自覚して 短いやりとりの中でも自分に呆れてしまう
俺ばかりが自分に都合のいい解釈でひとりで勝手に
ドキドキして 全く情けない…
「ヒョン…質問に答えて!さっきから 何ひとりで百面相してっ わっ!!」
食って掛かる様な強い眼差しで 減らず口を叩くチャンミンを制す様に 柔らかく、でもハリのある綺麗な髪の毛に手を伸ばしクシャクシャとかき撫でる
「俺は彼女を恋愛対象として見てないし大切な友達だから応援したい、彼女とならお前も…」
ねぇ
微笑みながら 心にも無いことを兄貴面して 語る俺を 許して?
「わかりました。」
事態をうまく消化出来ていないからだろう
無理に作った笑顔で
思い切った様に君は言う
「僕から彼女に話かけるんで連絡先は自分で…大丈夫だから」
「うん…ありがとうな」
終わった
終わりにしよう
また君は俺の中で
弟になる