黒ラブのクロ 経緯と詳細について | りぐこうべ兵庫 保護活動の記録 みんなちがってみんないい

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はじめまして。

2018年12月にNPO法人りぐこうべ兵庫を設立しました。動物保護活動を通じて、社会福祉、動物福祉活動に力をいれています。
宜しくお願い致します。

こんにちは

さて、昨日はクロをざっくりと紹介しましたが
今日は、経緯と詳細についてお話したいと思います。

私がクロの存在を知ったのは、今から10日程前になります。
犬つながりで知り合った花ちゃんママのお友達が、飼育放棄された黒ラブのことで
思い悩んでいるとのこと。
早速会ってお話を聞いてみました。

クロの第一発見者さんはHさんといいます。
今から半年ほど前、Hさんもわんこを飼っていらっしゃって、その日も愛犬をお散歩していました。
すると、家の垣根の間から何やら黒い大きなものが。。
そっと見に行くとそこには檻に入って糞尿にまみれた大きな黒ラブ君がいました。
その当時は全く人とかかわりがなかったようで、ひどいアマ咬み、強い引っ張り
で、それは大変だったようです。まるで犬らしくないクロが不憫でたまらなかったとHさんは言います。
Hさんは何とか飼い主と接触し、繰り返し話をして、クロを散歩に連れ出すことに成功しました。
それまでの苦労は並大抵ではなっかったと思います。
飼い主と一緒に病院へ行き、ワクチンや狂犬病もやってもらいました。
その時、去勢も視野に入れていましたが、残念なことにフィラリア陽性でした。
今すぐは去勢が出来ず、その代わり通年のお薬を飲んで治療を開始することが出来ました。
もちろん手放してほしいとお願いもしてみたそうです。
しかし、飼い主は全くお世話はしないけど、手放す気はないと。
色々な角度から話をし、持ち上げたり落としたり。。なだめたりすかしたり。。
それでも飼い主は「手放す」とは言ってくれませんでした。
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ただ、いつでもクロをお散歩に連れて行ってもよい権利は獲得したのです。
しかし。。クロのお世話は大変です
40キロの黒ラブに容赦なくひっぱりまわされて、Hさんは階段から落ちそうになったり、股関節を痛め、肩を痛め、散歩に連れ出してあげたくても出来なくなっていきました。
散歩に行けない日々がHさんを苦しめます。
行ってあげられないことに自分を責め、手放してくれないことで悔しい思いでいっぱいになっていったのです。
そしてやがて、クロの話をすると泣いてしまうまでに追い詰められ。。

私は、話を聞きながらHさんの苦労をねぎらい、私にバトンが回ってきたことに感謝しました。
思いつめたHさんに私は言いました。
「ラッキーじゃあないですか!散歩に行ってもシャンプーしてもいつどれだけ連れ出してもいいなんて!みんな、ほっといて、かかわらないでと言われ、落胆している人がほとんどなんですよ」と、いろいろなケースの話をしました。
実際に、飼育放棄されたわんこを見つけてしまい、なにも出来ず悔しい思いをしている人を私は何人か知っています。
みんな、なにも出来ず指をくわえてみているだけ。。

それに比べれば、お世話出来るんですから、今よりは良くしてあげられます。

そこで提案しました。
このまま、飼い主さん宅で保管させてもらいながら、みんなでクロをお世話しましよう。そうこうしているうちに飼い主さんの心が動くかもしれません
もし、最後まで手放さなくても、散歩に行って、綺麗な犬舎にして、少しでもクロのストレスを取りながら快適に過ごせるようお世話していきましょうと。

それを聞いたHさんは、「何か胸につっかえたものがすっととれたようです。手放さなくてもクロを幸せにできるんですね」
そう、今よりは確実に。

クロはもう8歳。そしてフィラリア陽性です。
私達ボランティアでお世話していくのも悪くないなあと。
手放させることばかり考えて、もし、触らせてくれなくなったら大変です。
いま、お世話出来ることを精一杯やれたら、そこから変化するかもしれません。

そこで、なにより大変な強い引きと激しいアマ咬みを直す必要があります。
早速、クロをトレーニングしてくださるトレーナーさんを探しました。

いました!!
大阪の保護団体に所属するトレーナーさんで、フリーセッション(無料)をやって下さるR先生。
今はたくさんの経験を積んでいきたい時期なのでどうぞ使って下さいとありがたいお言葉頂きました。
すぐに来ていただき、3時間かけて引きの矯正をしていただきました。

翌日からは私が毎日散歩に連れ出し、トレーニング開始です。
あれから10日、随分と良くなりました。
引きもなくなり、階段も一歩ずつ上り下り出来ます。
犬や人に吠えることもなく、やり過ごせます。
何よりクロの性格がとってもいいんです。
基本ハッピーボーイの彼は、いつも笑顔。
ただ、すぐに調子に乗るので、しっかり「ノー!」を教えます。
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そして、長年の汚れが蓄積した犬舎の大改造もやりました!!
まだ完成していませんが、とっても清潔になりました。
見て下さい!

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犬舎のビフォーアフターです。

汚れた土を捨て、平らにして檜のすのこを引きました。
犬小屋もうんちまみれでしたので新しいのと交換しました。
土も柔らかくなり、良いにおいもします。

いま、知り合いに屋根を作ってもらっています。
それが出来れば、雨にぬれなくて済みます。

みんなの気持ちが、クロを通して、飼い主さんに伝わるまで頑張るしかありません。
いつか手放してくれたら、、新しい里親さんを見つけてあげたいです。
手放してくれないかもしれませんが、それでもできる限りのことはしてあげたいです。
今はまだ、誰でもクロのお散歩に行けるわけではありませんが、いつか素敵な黒ラブ君に変身させて、どんな人でもお散歩に行けるようにするのが私の役目です。
大型犬は、犬好きの憧れです。
いつか飼ってみたいと誰しも思うのではないでしょうか。
私も大型犬とかかわるのは初めてのこと。
可愛いです。
でもそれは、人を認識し、しっかりと人の声が届いてこその可愛さだと思います。
ひっぱりまわされ、飛びつかれたのでは、可愛いでは済まないですよね。

犬が来てから近所づきあいがなくなったと飼い主さん。
しつけられないことへのブーイングです。
それでもできないのなら第三者を頼るしかないのです。
もっと早く声をかけてくれていたら、クロを8年の長い間、閉じ込めなくてもよかったのに。。

それでも知ってしまった限り、聞いてしまった限り、知らなかったことには出来ないのです。

2016年はクロで始まります。

どうぞみなさん、見守ってやって下さい