How to 車椅子の旅!

How to 車椅子の旅!

車椅子だからこそ、旅はさらに楽しく出来る…

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 信ちゃんが10年前に脳出血で倒れて左半身不随の一級障害者になって、なまくら鍼灸師の私、それなりに最初は鍼、最近はマッサージと、信ちゃんの介護を続けてきました。鹿児島大学の川平先生のストレッチを取り入れたり、定期健診の時の短いながらの玉川病院の理学療法士のコメントを参考にいろいろ考えて。
 新任の訪問理学療法士君25歳に「10年経過しているのに、思いのほか四肢が固まっていませんね」と初日に言われて、ちょっと鼻の高かった私。アホでした。自分がやってきたことに満足して、プロの理学療法士さんたちが日々、新しい技術と発想法を身につけて働いていることを、忘れていたのです。それは、私が職業として歩んで来た同時通訳のレベルの進歩を考えれば、すぐに分かる事だったのに。
 アポロ1号の発射の時から始まった同時通訳という仕事。最初の頃はまさに闇の中を手探りで進むように、残念ながら、同時通訳のパイオニアと言われる西山千さんさえ、今のスターターのレベルではなかった。あれから半世紀。同時通訳の訓練方法は飛躍的に進歩して、今では皆さん、本当に上手。老いもありますが、自分はもう、到底太刀打ちできないと思う今日この頃です。
 あっ、話がずれた。
 25歳の理学療法士君が、信ちゃんをうつぶせに10年ぶりにさせてくれたことは以前書きました。その彼が、「足こぎ車椅子」プロファンドの訓練について、こうコメントしたのです。
 「装具を取って、こいでみてはいかがでしょう」
 それは、晴天の霹靂と言ってもよいアドバイスでした。信ちゃんも私も、ひたすら装具をつけてこぐものと思い込んでいた。与えられたものをそのまま受け入れるのが大嫌いな私たちなのに、装具を取ることなど想像も出来なかったのです。
 「凄い!凄い!」
 
 新しい血はいつでも受け入れなければ。知らないうちに頭が固くなっていた私たち。改めて若者たちから学びたいと思う気持ちです。いやあ、謙虚に。
信ちゃんは、2005年1月15日お昼頃に脳出血倒れ、かかりつけの病院に搬送されました。

 思い返して見ると、信ちゃんは幸運でした。第一に、倒れたのは事務所でしたが、完全に椅子から体が崩れ落ちる前に、近くにある会社の倉庫に居る社員たちに電話が出来たこと。第二に、倒れたのが土曜日で、かかりつけの病院には当直の若手の先生一人でしたが、先生が脳神経外科医だったこと。そこで、その場で出来るベストの処置をしてくれたが、必要以上のことはあえてしないでくれたことです。
 医師は常に、考えうる最悪の状態を患者に伝えます。一生車椅子生活になる可能性はあるが、命は助かると聞いたので、後は「野となれ山となれ」。それが私の最初の反応でした。その夜は病院のソファで寝ました。信ちゃんは一晩中、「のりちゃん、のりちゃん」と叫んでいました。
時々様子を見に行くと、かすかに意識が戻っていて、手足が縛られているのがきついから、緩めてくれと懇願します。看護士さんに分からぬよう、緩めます。しばらくして戻ると、緩めたところが緩み過ぎて、また、きつく縛られている。そこでまた、緩める。その繰り返しでした。
二晩集中治療室に入れられ、その後、一般病棟に移りました。信ちゃんが集中治療室に入れられている間のことを私は、自分が何をしていて、何を考えていたか、ほとんど覚えていません。

出会い:神様からの贈り物
 信ちゃんが倒れてから三日目の月曜日、自分の朝ごはんのパンを買いに私は、マンションの裏のバス通りに面したコンビニへと向かいました。コンビニの前は広い駐車場で、幼稚園の朝の送迎バスが止まります。バスを待つ母親の中に、ひろみさんが居ました。普段だったらそんな彼女に声をかけることはありませんが、その時、私は誰かと話しをしたくて、ほかの母親たちにさよならを言うまでひろみさんを待ち、声をかけたのです。その日、同じマンションに住み、車の駐車場所が隣り同士だったひろみさんを見かけなかったら、そしてその後、彼女を通じて八束さんに会っていなかったら、私たちの今は、大きく違っていたと思います。

ひろみさんは結婚前までメディアの仕事をしていて、とても優しい聞き上手です。話しているうちに私は涙が止まらなくなりました。一通り聞き終えると彼女は、私にとっては予想だにしなかったことを話し出しました。「信ちゃんと同じように脳出血で倒れたが、現在はもう仕事に復帰している人が身近に居る」

ひろみさんの話
 元気な二人の坊やの母親であるひろみさんは、私たちが今も暮らすマンションから、一戸建の家に引越しをする計画を数年前に立て、もうすぐ引っ越すとのこと。物件探しには、奥沢の不動産屋さんに相談に乗ってもらったが、その世話になった奥沢の不動産屋の八束さんが、信ちゃんと同じように脳出血で倒れ、リハビリを続け、現在では自分で車を運転して仕事をしている、と言うのです。
「自分たちの経験をみなさんに役立てたいといつも言っていて、のり子さんたちのようなご夫婦を喜んでサポートしているので、いろいろ相談に乗ってもらったら」
 信ちゃんと同じように脳出血で左半身不随になったが、リハビリの結果、仕事をしたり、車を運転している人が身近に居る。
それは、天からの声でした。私はとにかく、その方に会いたい。コンビニから自宅に向かう間、ずっと「会わなきゃ。会わなきゃ」と念仏のように唱えていました。しかしその翌日も、信ちゃんが一般病室に移ってからも、一瞬、一瞬がばたばたでひろみさんの不動産屋さんのことを忘れてはいなかったのですが、自分の方から連絡する余裕はありませんでした。そして、コンビニの朝から三日目。信ちゃんが倒れてあと一日で一週間という朝、何の前ぶれもなく、不動産屋のご夫妻が揃って、信ちゃんの病室に入って来られました。

突然の訪問
ご主人が左足を引きずる様子から、それがひろみさんの、奥沢の不動産屋さんの八束さんご夫婦だとすぐ分かりました。
「僕も、20ccほど出血して、ほとんど今のあなたと同じ状態でした」と咳き込むほどに、熱心に信ちゃんに話しかけてくださいます。信ちゃんはほとんど口を開きませんでした。ただじっと、八束さんを見ています。現実の自分の姿と、八束さんの姿のギャップを、どう埋めればよいのかわからなかったのではないかと思います。私もただただ、八束さんの方を見つめていました。
 話が一段落したとき、八束さんは奥さんの方を振り返って、「君が直接説明をするといいですよ」と言いました。それからはしばらく、奥さんから、手足を痛がるときに、どのようにマッサージなどをすればよいかを教えてもらいました。
 その後私は何度も、泣きながら八束さんの奥さんに電話をしました。状況がわかった上で話を聞いて貰える人がいる。

 今私たちは、私たちにとっての八束さん夫婦のような存在になりたいと思っています。
北海道から戻ったのは9月5日でしたが、思いがけずやはり3週間の旅の疲労は大きかったのか・・・なかなか日常の感覚に戻れませんでした。
 「旅を生きる」というのか今回のテーマでもあったのですが、旅の間ずっと考えていました。では旅をしながら、どう生きればいいのか? 答えは見つかりませんでした。
 そして今朝・・・・ イギリスに住む友人のFBを見て、一つの答えを見つけました。それは、パブロ・ピカソの言葉でした。

The meaning of life is to find your gift. The purpose of life is to give it away."
「人生の意義はあなたの贈り物を見つけること。人生の目的はそれをあたえること」

 さて、これを今一度どう租借するか。そして実践するか。正直どうすれば一番よいのかよくわかりませんが、確かなこと。それは、一歩この言葉に私は背中を押された事実。ということで、今日からそれを一つトライしようと思っています。
 何か? 結果が出たら報告します。

 
東京近郊にもあったらいいなと切に思うコンビニ。それが北海道に特化したセイコーマートで、道内だけで1,000店舗を越す。セイコーマートのどこが偉いかって・・・それはもう、コンビニを越えた、マイバスケットのようなミニスーパーとして、地域に根ざした品揃えの見事さ。北海道を旅するたびに、大いにお世話になっています。
 今回、雨に降られたり、町と町の間の距離が長かったこともあり、道の駅以外、昼食を食べるために立ち寄る食事処がなかなか見つからず、セイコーマートのおにぎりをお昼に何度も食べました。
 東京のコンビニだと、鮭おにぎりと昆布おにぎり。絶対に鮭おにぎりの方が高い。ところがセイコーマートのホットシェフのおにぎりは、鮭よりも昆布の方が高く、この昆布が北海道産のもので、昆布好きの我々は、いたく気に入りました。鮭も北海道のおにぎりですから、ほぐし鮭が、通常のコンビニのおにぎりよりもしっかり入ってはいたのですが。
 それと、牛乳。豊富は、北海道では良く知られた乳牛の牧場が数多くあることで知られています。セイコーマートのプライベートブランド牛乳は豊富産。同じ値段の全国ブランドのものと比べると、コクが違う。
 どんな顔をした牛乳か。ご紹介します。
とよとみの牛乳
今日、これから三回目となる北海道のドライブの旅に出発します。今回は、これまでで最長の21泊22日となります。
 大洗ー苫小牧ー札幌白石ー浜益(石狩)-留萌ー小平ー幌加内ー沼田町ー羽幌ーサロベツー稚内ー利尻島ー宗谷ー浜頓別ー紋別ー留辺蘂ー士別ー平取ー苫小牧ー大洗

 「のりたまご」と命名した、シルバーのフリードをホイールまで安全のために黄色に塗った愛車で走ります。
 
 9月5日に帰宅します。では、それまでしばらくお別れです・・・・・・See you then.
私は編み物が大好き。信ちゃんが倒れてからは、左手が挙がらない、左手が曲がったまま。そんな状態のため、左右の袖ぐりの大きさが違うベストなどを、いくつも編みました。しかし今はだいぶ自由に腕も動くので、編みなおして、左右同じの袖ぐりのベストを着ている信ちゃんです。
 ということで、手や腕は随分と動くまではまだですが、かなり自分が好きな場所に持ってゆけるようになり、最近の信ちゃんの「芸」は、「テン、パイ、ポン、チン」体操です。お分かりですか? 女性ヘルパーさんに、最後の「チン」は要りませんといわれて、苦笑いをしながらも嬉しそうな信ちゃんです。
 そして手。しっかりグーを握っていた手のひらも、握手ができるようになりました。しかし・・・足はこれがなかなか。
 そんな先週の金曜日。武蔵小山の、それまで入ったことのないTVでみた靴下専門店チェーンを覗き、無理だと思いつつ「どくろ」の模様がかわいいので、5本指の靴下を信ちゃん、一足お買いあげ。帰宅してすぐに、「履いてみる」と言いました。夕食の準備をしていた私は、手伝いませんでした。
 これまででしたら、絶対に一人で5本指靴下を履くことは出来ない。というか、靴下そのものを自由に履くことはなかなか難しい状態が初めは続きました。指はまったく動かず、指も倍までとは言わないまでも、いつもかなり浮腫んでいます。
 ところがところが、「のりちゃん、履けたよ!」信ちゃんの嬉しそうな声。あわてて布巾で手を拭きながら台所から覗くと・・・・。ヤッタネ! こうして毎日が一歩一歩の私たちです。

 消費税の3%増がもうあと一週間を切りました。
 2人だけの生活なので、あまり買い置きはしていませんが、それでも人並みに買い揃え、今日はその最終日として、ちょっと我が家から遠いのですが、ビッグヨーサンに出かけます。「街中の築地」というキャッチフレーズのスーパーらしく、魚がとてもおいしいのですが、私たちがお気に入りが、港北区にあるビッグヨーサン内の寿司のイートインです。
 今日はまず、近くにあるユニクロに行き、次にイオンに行き、最後にビッグヨーサンで野菜と魚を調達して、ランチを食べましょう。
 これらの大型商業施設は、車椅子にやさしく、必ず多目的トイレがあるので、私たちにはありがたい。駐車場も、一応「車椅子用」スペースがあります。混んでいる時には残念ながら、車椅子マークのない車に占領されていることも多いのですが。
 さて、どんなものに出会えますか。

 http://tabelog.com/kanagawa/A1402/A140204/14044325/dtlphotolst/P14915695/?ityp=1
 昨日、昔のASL(アメリカ手話)クラスの仲間と新宿で久しぶりにランチ。ゆっくりお茶をと小田急ホテルのラウンジに向かい、エレベーターに20分近く閉じ込められた。20階に到着したと思った直後、ガタン。電気がショートして10センチほど落下したからだった。あわてて外を見て、みんなで地震ではないことを確認した。その後、総支配人があわてて謝罪に訪れ、ラウンジでのお茶代はホテルのおごりとなった。
 エレベーターに閉じ込められたのはこれで2回め。前回は六本木ヒルズだった。で、3回目がないように祈りたいが、みなさま、エレベーターには気をつけましょう。ちなみに、三菱製のエレベーターでした。
 蛇足:ラウンジのパンケーキは美味かった!(タダだったからではありません)
 世の中、考えることは山ほどあります。原発再起動、特定秘密法案などなど、おどろくほど右傾化がどんどん進んでいる安倍政権・・・結果、介護政策などにも大きな変化は必須でしょう。流されることなく、自分の周りの仲間とだけでも、自由にいろいろ考えながら、生きてゆきたいです。
 
 なんて固いこともいいつつ、結局は少しお金が貯まると、やはり旅行でしょう。
 今回はTVを見ながら「ななつ星」に乗りたいね。でもお金がないから無理だね。カシオペアは北海道。北海道はフェリーで愛車を乗せてのドライブ旅行がよね。
 「でもやっぱり寝台列車に乗りたいね」

 ということで、サンライズ出雲で山陰旅行を企てました。しかし、山陰は遠い。北海道旅行の資金は一年間の節約でなんとか捻出できる予定ですが・・・さあて、「先立つもの」がなくてはサンライズ出雲も遠い存在だ・・・
 などとブツブツ言っていたら、80歳の母が「私も一緒に行きたい。出雲大社におまいりしたい。多少の路銀(若い人はきっと知らない言葉)なら出してあげるよ」とのありがたいお言葉。
 こうして、5月6日からの山陰の10泊11日の旅が実現することになりました。
 最初は出雲大社が最初の訪問地でしたが、せっかく島根まで行くのだから。それに私たちは昔から「世界遺産フェチ」です。石見銀山にも行きたい!
 ということで、下記のようなスケジュールが出来上がりました。

1)サンライズ出雲で出雲市へ
2)出雲市から大田市へ: 石見銀山
3)石見銀山から出雲市へ: 出雲大社
4、5)出雲市から松江市へ: 松江観光。のぶちゃんは、小泉八雲記念館に行くのが楽しみだそうです。
6)松江市から境港へ、その後米子市へ: ねずみ男に会いに行きます。
7)米子市から鳥取市へ: 私はダイオウイカを見たいのですが、のぶちゃんは興味なさそう。 
8)鳥取市から城崎温泉へ: 10年前に脳出血で倒れ、初めての和室の部屋に宿泊します。
9)城崎温泉から豊岡から舞鶴へ: 北近畿タンゴ鉄道に乗るためです。のぶちゃんはちょっぴり鉄ちゃんです。
10)舞鶴から敦賀へ: 途中、おおい原発の予算で潤った町の現在を見たいと思っています。
11)敦賀から東京へ: ひたすら自宅に向かう日になります。

 すごいでしょう? 2ヶ月近くいろいろ考えて立てたスケジュールですが、一つクリアしなければならないハードルがあります。それは・・・
 「人気のサンライズ出雲の切符を入手すること」
 
 みなさまも、私たちが無事、切符が買えることを一緒に祈ってくださいね。ではまた。