人生意気に感ず「サイパンからのラジオ放送を秘かに聞いた東大教授。知覧へ行きたいと早田ひな。糸川博 | 中村紀雄オフィシャルブログ 「元 県会議員日記・人生フル回転」Powered by Ameba

人生意気に感ず「サイパンからのラジオ放送を秘かに聞いた東大教授。知覧へ行きたいと早田ひな。糸川博

◇深夜のテレビでNHKの太平洋戦争ドキュメントを観た。その中である少女がアメリカの飛行機から撒かれた投稿をすすめる文を見た場面がある。文には安全を約束するとあるが少女は語る。「女はいたずらされて引き殺されると教えられていた」と。アメリカの作戦として大量のビラが撒かれていたこと、それを読んだ人がこの少女のように信じなかったことも事実であった。しかしアメリカの流す情報を冷静に分析していた一人の学者がいた。東大法学部の川島宣教授である。ドキュメントは多くの若者が特攻で散っていく場面を描いているが冷静な情勢分析に基づく政策が実行されたならと改めて考えさせられた。川島教授は私の学生時代特別の関係をもった人であった。

 戦争の末期サイパン島から中波のラジオ放送が発信されていた。これを聞くことは厳禁されていたが教授は相模の山中で秘かにこれを受け止めていた。それは驚くべき占領政策を語っていた。つまり「占領したら徹底的に民主政策を実行する」というもので古い憲法体制をなくして民主主義体制にする、社会生活の民主化を促進する、労働運動を自由にする、農地改革を行うなどだ。初めは半信半疑で聞いていた教授は次第に信ずるようになった。さすがは優れた社会科学者だと思った。

◇日本軍の特攻作戦に関しなぜ実行したかを考え運命から逃れられなかった多くの若者の心中を想像した。ここで、パリ五輪、女子卓球で2つのメダルを得た早田ひなの発言が話題を呼んでいる。パリから帰国後行きたい場所はと問われ、鹿児島県の知覧特攻平和会館をあげた。あどけない美少女と特攻隊がどうして繋がるのかと不思議に思った人は多いだろう。私もその一人だった。彼女は言う。「資料館に行って、生きていることを、そして卓球を当たり前に出来ることが当たり前じゃないっていうのを感じたい」と。早田は成績も良く、社会科が特異だったというから知覧資料館のことも知識として知っていたということで特攻を讃美することとは関係ないに違いない。パリ五輪で対戦した中国選手がこの発言に反応したことが報じられているが誤解か気の回し過ぎだろう。知覧は私も行きたい所。早田さんには是非行くことを勧めたい。

◇日本初の超小型ペンシルロケットが航空宇宙技術遺産に認定された。日本のロケットといえば糸川博士。「逆転の発想」で知られる博士の行動に少年の頃から注目してきた。ペンシルの様で水平に発射する実験だった。正に逆転の発想だった。(読者に感謝)