人生意気に感ず「脱税だの国民の怒りは頂点に。盲導犬との別れる姿に思わず涙」 | 中村紀雄オフィシャルブログ 「元 県会議員日記・人生フル回転」Powered by Ameba

人生意気に感ず「脱税だの国民の怒りは頂点に。盲導犬との別れる姿に思わず涙」

◇国民の怒り、政治不信はここに極まるの感がある。内閣支持率21%が全てを物語る。国会内の政倫審出席をめぐるゴタゴタは国民の不信感を高めるばかりだ。自浄機能がない、こんなことを決められない、それで国難に対応できるのか。大方の国民の目にはそう映る。

 政倫審は疑惑の国会議員に質疑や審査を行う場である。疑惑とはキックバックのことであり、その実態は脱税だと厳しい声が上がっている。時あたかも国民は確定申告に追われている。税を納めるという身近な具体的なそして切実な問題が国政の紛糾と直結している場面である。

 疑惑の議員に対するアンケートの対応ぶりはいかにも稚拙で村社会ぶりを露呈している。憲法の「国会は国権の最高機関」という定めを汚すものだ。アンケートの回答拒否、未回答は7割超という。その理由の多くは周りから白い目で見られるといったことでいかにも軽い。これで国政の重大事に関わることが出来るのかと改めて思う。日本が崩壊する姿を象徴するようだ。

◇にんげんドキュメント・テノール歌手と盲導犬との物語に胸を熱くした。込み上げるものを抑え難い場面もあった。後に述べる別れの光景である。ある小学校が舞台となった時、講堂いっぱいの子どもたちの犬を見る目は一様に輝いていた。子どもは皆、動物好きである。しかしそれ以上に彼らの関心は主人に忠実な犬に向けられ、盲目の主人を助ける物語を想像しているに違いないと思えた。危険がいっぱいの大都会で犬は前方の障害を巧みに避けて主人を導く。心と心が一つになっていることが伝わってくる。賢い犬が選ばれるのだろうがどのような苛酷な訓練に耐えたのかと想像してしまう。地下鉄では空いている席に導き主人が座るとその足下にじっとうずくまる。彼の目に高度に発達した人間の文明社会はどのように映っているのであろうかと思った。傷ついている老犬は任務の限界を迎えていた。別れる時が来たのだ。引き受ける家庭も見つかった。賢い犬は事態を知っていた。主人が「ステイ」と命じる。動いてはいけないという声には必ず従うようしつけられている。しかし驚いたことにこの時犬は命令に逆らって主人を追って玄関の出口まで動いたのだ。主人は言う。「イヤになったら帰っておいで」と。犬の目は涙でうるんでいるように見えた。私はこの原稿を書きながらNHKのドキュメントを観た。あのワンちゃんの新しい生活が始まっているに違いない。私は秋田犬ナナとの別れを思い出す。一途な心の絆は人間以上なのだ。(読者に感謝)