人生意気に感ず「奴隷制と非難される外国人労働。南方熊楠を読んで。H3ロケットの成功」 | 中村紀雄オフィシャルブログ 「元 県会議員日記・人生フル回転」Powered by Ameba

人生意気に感ず「奴隷制と非難される外国人労働。南方熊楠を読んで。H3ロケットの成功」

◇17日のミライズクラブの須田さんの話はいくつかの点で会員に衝撃を与えた。長い間「技能実習制」の実態に深く関わってきた者のみが知る現実を突きつけられたからだ。政府はこの技能実習制に代わる新たな仕組みとして「育成就労制度」創設の方針を決めた。新たな仕組み作りを迫るのは人種差別、人権侵害の現実とそれに対する国際的な非難であった。アメリカから「奴隷制度だ」「仕事を止める」と迫られた。妊娠をさせないなどの実態は奴隷制と言われても当然であろう。労働基準法を守らない、そして頭をたたくなどの暴力も行われていたとされる。これらは奴隷状態の一端と言われても仕方がない。貧しく知的レベルも低い人々への差別が横行していたことを知って驚いた。アメリカの非難の経済面における現れとして「仕事を止める」という動きがある。アメリカのIT関連企業は日本の産業と広く繋がっている。仕事を止められたら大変である。外国人労働がこんな所にも深刻に波及していることに驚いた。有識者会議の提案には一定の要件の下に労働者本人の意向による「転籍」を可能にすることがある。これは同じ業種内で職場を移れることを意味する。少子高齢化、人口減は加速する。外国人との共生は時代の大きな流れ。外国人の人権を保障しつつ外国人に選んでもらえる国となることが日本が生き残る道でもある。

◇南方熊楠(みなかたくまぐす)の伝記を読んだ。博覧強記の博物学者であるが人並み外れた「奇行の人」で柳田国男は「日本人の可能性の極限」と評した。多様性が尊重されるべき現代においてこのような人物に注目する意義を感じるのだ。

 多くのエピソードの中で特に興味ある出来事は昭和天皇へのご進講である。それは昭和4年のことで、天皇は神とされた時代である。予定時間は25分と決められていたが、天皇は延長を命じた。後に天皇は「家では裸でいるというが私の前へ来るときは正装であった」と懐かしそうに語ったと言われる。天衣無縫奇行の人も特別の思いを抱く人に対しては意外と細かく気を遣った。彼は植物研究所設立のため寄付金を集めたが有力な賛助者には紀州特産の安藤みかんを贈った。このみかんを贈られた意外な人に山本五十六がいる。偉大な奇人が生まれない社会は萎んでいく社会である。それはAIに負ける殺伐たる社会でも

ある。

◇H3ロケットの巨体が大空に突き進んだ。バンザーイ、思わず快哉を叫んだ。日本の科学力がまた宇宙の扉を大きく開けた。(読者に感謝)