人生意気に感ず「毒薬で娘を殺す恐怖。今、みる地獄の戦場を読んで。太平洋と日本の役割」 | 中村紀雄オフィシャルブログ 「元 県会議員日記・人生フル回転」Powered by Ameba

人生意気に感ず「毒薬で娘を殺す恐怖。今、みる地獄の戦場を読んで。太平洋と日本の役割」

◇おどろおどろしい出来事を想像する。4歳の女児毒殺容疑で両親が逮捕された。捜査は進行中である。毒薬を使った新たなタイプの虐待なのか。薬物の名はエチレングリコールとオランザピン。4歳といえば通常精神的にはかなり成長している筈。美輝ちゃんの場合どうだったのだろう。出生直後に虐待があったらしい。異常な事態は理解できない。想像するに夫婦関係が破綻し母親は常時ではないにしろ自分を失った狂乱状態にあったのか。犯罪は社会が生み出す一面がある。病める社会の一面をのぞく思いだ。日本の社会が崩れていく恐怖を感じる。一家は千葉県に居た時、夫婦の子どもへの心理的虐待があったとされる。母親は美輝ちゃん出産の直前、精神的に不安定で支援を要する特定妊婦とされていた。そして出産直後、自宅ベランダで衣に火を付け警察の聴取を受けた。指摘されているこの時期の美輝ちゃんへの虐待は心を失った状態のことであったろう。母親の責任は問えないというべき。重ねて思う。児相を含めた地域社会はなぜ救えなかったのか。

◇拙著の小冊子「今、みる地獄の戦場」を改めて読んだ。副議長の時、ニューギニア慰霊巡拝を期に書いたもの。地獄と敢えて表現したのは「生きて帰れぬニューギニア」と言われ、特に酷い戦場だったからである。日本軍は兵士を消耗品として扱い無謀な戦いを展開した。

 この慰霊の旅で、私は大きな収穫を得た思いであった。不毛な地獄に人間の営みの跡を発見したからだ。その一端は皆川大使(当時)の次の言葉に現れていた。「白人は昔、現地の人を豚や虫のように軽蔑したが日本兵は平等に付き合った」極限の状況下で命を大切にする人々の姿の跡を幾つも知った。岩田亀作さんが上官から毒薬を渡されたが命令に逆らって土に埋めた。ミッションヒルで一人の裸足の少年が現れ、私にシャコ貝を渡して走り去った。あの少年の輝く瞳が甦る。あの貝は今、書斎の目の前にある。あの少年はどうなったかと思う。

◇地獄の戦場を振り返る動機は南太平洋の国々が米中の綱引きの場になっていることである。太平洋進出は中国の悲願である。中国には覇権を広げる下心があると見られている。南太平洋の平和と安定、そして地球環境保護のため日本の役割と使命は大きい。かつて日本は太平洋を戦場として迷惑をかけた。今その反省を活かして地域に貢献する時。上川法相は太平洋島サミットに向け南太平洋を巡った。米中の綱引きが激化する中、日本の使命は増すばかり。(読者に感謝)