人生意気に感ず「外国人就労環境が変わる。外国人に選ばれる国に。戦場のピアニストを観た」 | 中村紀雄オフィシャルブログ 「元 県会議員日記・人生フル回転」Powered by Ameba

人生意気に感ず「外国人就労環境が変わる。外国人に選ばれる国に。戦場のピアニストを観た」

◇今月のミライズクラブのテーマは「外国人労働者派遣法の改正について」。副代表幹事の須田さんが話す。この人は外国人労働に長いこと携わり、この問題の表と裏をよく知る。彼の片腕となって支えるのは中国人女性の沈さん。私が保証人となって来日した。

 現在の技能実習制度は複雑な問題を抱える。制度の理想は発展途上国に技術を伝え、その国の発展を助けること。しかし実態は異なる。受入れ企業は安い労働力を目的とし、外国人は少しでもお金を稼ごうとする。ブローカーが暗躍し人権無視が深刻なのだ。人権無視として驚くべきことは就労の妨げとなるとして女性に妊娠を禁じたり、妊娠が分かった場合契約継続を拒否するなどが横行しているらしい。このような実態を許すことは人間尊重、人権の国がいつわりであることを示しさらけ出すもの。

◇この外国人就労制度が大きく変わることになった。問題を抱えた技能実習制度に代わる「育成就労制度」の創設である。新しい制度の下で外国人の人権が守れるか、外国人が安心して働ける環境を整えられるかが問われる。時代の変化はダイナミックである。尊敬される日本、外国人から選んでもらえる日本を目指さねばならない。岸田首相は我が国が外国人から選ばれる国になるという観点で制度づくりを進めると述べている。

◇映画「戦場のピアニスト」を引き込まれて観た。ナチスの弾圧を耐えて生きる人々を描いた映画は多いが異色の作品である。ユダヤ人の天才ピアニスト・シュピルマンの真実の物語。ポーランドが舞台である。ユダヤ人が強制収容所へ送られていく。シュピルマンは貨車に乗せられる人の列から奇跡的に抜け出し必死の逃亡を続ける。ナチスに抵抗する組織に助けられ隠れ家を転々とする。ハラハラの連続である。最後の隠れ家は「最も安全な場所」だった。なぜならナチスの拠点と目と鼻の先の位置で敵もまさかユダヤ人が居るとは思わないからだ。目の下で地下組織の人々の襲撃が展開される。スピルマンの指が空に躍っている。目を閉じてショパンの演奏を想像することが生き抜く力になっていた。連合国がノルマンジーに上陸しソ連が迫るというニュースに胸を躍らせるシュピルマン。しかしある時、目の前にドイツ軍将校が立っていた。「ユダヤ人だな。何をしていた」「ピアニストでした」「何か弾いてみろ」部屋の隅の古いピアノから美しいメロディが流れ、将校の瞳は輝いた。「あとわずかで解放される」そう言って将校は去って行った。ナチスのホロコースト、血の海の中を流れる美しい旋律は人類の救いの音色だった。(読者に感謝)