人生意気に感ず「ダイハツに見る企業倫理の低下。議員に迫る特捜の網はどこまで」 | 中村紀雄オフィシャルブログ 「元 県会議員日記・人生フル回転」Powered by Ameba

人生意気に感ず「ダイハツに見る企業倫理の低下。議員に迫る特捜の網はどこまで」

◇ダイハツの不正問題が紙上で炎上している。トヨタの完全子会社、軽自動車のシェアは3割を占める。品質で世界に誇る日本の信用を傷付ける事態だ。一番古い不正は1989年というから驚きである。内部告発で明るみに出たことにホッとした。自浄能力が細々ながら生きていたからだ。リコールに発展するのか、事故に繋がらないか等は、消費者の素朴な不安である。ダイハツはこれ迄に関連する事故はないと発表した。また、社長は「安心して乗って頂ければ」と述べる。ダイハツは立ち直れるのか。この問題を中国の人たちと話す機会があった。「日本は厳しいから倒産になるかも。中国は謝ってあいまいに済んでしまう」と話していた。中国には内部告発の制度が存在しないのではないか。国民の知る権利に繋がる問題である。決められた開発日程を守ることは製造の現場にとって大変なプレッシャーだったと言われる。経営側の責任が厳しく指摘されている。トヨタはトヨタへの供給車が増えたことが現場の負担を大きくした可能性があるとして深く反省していると述べた。

 ダイハツ問題の根底には企業倫理がある。企業は公的存在である。地球温暖化・脱炭素等が大きな社会問題となるのに合せ企業の存在は重大になった。もはや大企業が目先の利益追求に走ることは許されない。それは自らの墓穴を掘ることに繋がる。ダイハツのトップが6秒問題を下げて謝罪したがその姿は日本の全企業を象徴する。

◇予想通り特捜部は動き出した。松野、高木、世耕氏等への任意聴取が始まる。3氏は1千万円超を不記載にした疑い。刑事責任追及の動きである。任意聴取を受けることへの一般国民のインパクトは大きい。人々は先生たちが牢獄に繋がれる姿をイメージする。私はかつて議員だった頃、同僚議員が地検から出頭を求められた事態を想像する。彼は私に語った。追及は容赦のないもので非常に厳しかった。当局とすれば中途半端で終えれば自らが大きく非難されることになるから当然である。高官たちは密室で冷静な法との対決を迫られる。高いプライドは踏みにじられる。

 中国の諺「天網恢々疎にして漏らさず」を改めてかみ締める。天の網(法)が疎(あらい)ことに不平等感を抱いた一般の人々は高官が出頭を求められ、「漏らさず(見逃さない)」を知り溜飲を下げたに違いない。議員の悲鳴が聞こえるようだ。「他の議員にも捜査の手が伸びるのでは。政権運営はできない」と。(読者に感謝)