人生意気に感ず「マラソンを描いて特賞を得た。それを頭に10キロを」 | 中村紀雄オフィシャルブログ 「元 県会議員日記・人生フル回転」Powered by Ameba

人生意気に感ず「マラソンを描いて特賞を得た。それを頭に10キロを」

◇ぐんまマラソン10キロを終えて「特選マラソン大会」を読んだ。私は元総社中学3年の時、昭和30年度前橋市中学校作文コンクールで特選を得た。その題がマラソン大会だった。市が出した『横笛』という本に載ったと聞いていたがその時はそれを求める意識もなく年月はたちマラソンのことも忘却の彼方の存在となった。県議会に入って何かの折りに当時の小寺知事に「特選」のことを話した。しばらくして小寺さんに『横笛』の所在を教えられコピーすることができた。一つの額に賞状と作品が上下に並べて納まって事務所に置かれている。少年時代の勲章である。このマラソン大会で走るのは一年から三年までの男子で、女子は分かれて応援についた。読んでみると当時の情景が甦る。そして毎年のぐんまマラソンと重なり苦しさは基本的に変らないと思えた。同時にあれが自分のマラソンの原点だと分かり、あの時の自分に負けないぞと勇気が湧くのを覚えた。元総社の農村地帯を走っている様子を書いている。「農繁期でお百姓が仕事の手を止めて応援している。遠くの田んぼの向こうに隣村の森が見える。まだ遠いと思うと急に運動靴が石のように重く感じられる。後ろから“ハッハ、ハッハ”と鋭く規則正しい呼吸が迫り抜いていく。これに気付いて俺も呼吸を整えリズムをつくって走る」中略。次は最後の場面である。「学校が近づき、皆最後のスピードを出している。俺も“なにくそ”とありたけの力をふりしぼるがもう身体がいうことをきかない。“もう少し、もう少し”と首を振りながら走る。校門が近づき“わあー、わあー”と声援が聞こえてくる。ありったけの力で走り目の前に白い決勝線が見える所まできた。74番と書いた白い紙を先生から受け取り、係にそれを渡し芝生に倒れ込んだ。青い空を見上げると吸い込まれそうだ。疲れも抜けていく。これで一つ大きな仕事をやり遂げることが出来た」

 タイムスリップして昔の中学時代のマラソンを見てきたようだ。あれは人生の原点でもあった。あの頃、83歳で元気に走ることは夢にも思わなかった。私は102歳まで走ると天下に誓った。あとおよそ20年、今回のマラソンはそれに通じる人生の大事であった。

 走ることの大切さを改めて重く受け止めた。「よくやった」という多くの声が寄せられた。毎日の修練の積み重ねが今回の完走を可能にした。私の完走に勇気をもらったと喜ぶ人もいる。何よりも嬉しいことだ。来年はもっと頑張る。その思いで北京の朝を走る覚悟だ。

(読者に感謝)