人生意気に感ず「雨の中女子マラソンはパリを目指す。日本スポーツの進化の意見。哀れな衆院議長辞任」
◇雨の中の女子マラソン・グランドチャンピオンシップを観た。この日の早朝、まだ深夜、雨の中を走ったので彼女たちの走りの中に自分が存在するようなリアルさが伝わる。降りしきる雨は容赦なく若い肌を打つ。女性たちを駆り立てるのは来年のパリ五輪だ。上位2人が切符を得る。冷たさが伝わってくるがそれをはねのけているのがパリへの思いに違いない。マラソンのお決まりの展開でトップ集団が出来、それを追う集団との距離を広げる。そしてトップの一団から2~3人が抜け出すのだ。トップの二人にはパリの光景が浮かんでいるに違いない。番狂わせのスピードで一位となったのは第一生命グループの鈴木優花、二位は資生堂の一山麻緒であった。激しい雨の中で得た成果はひとしおのものがあるだろう。試練に勝った思いがインタビューに現われていた。
◇来年のパリ五輪は日本のスポーツが世界の舞台で存在感を発揮する場面が目白押しだ。大谷の野球がアメリカの大リーグでエイリアン扱いされているが、野球も次のオリンピックで正式種目になるようだ。大谷現象は日本人の変化の象徴である。サムライ日本の存在感を発揮する時が来ている。オリンピックの花はマラソンである。今回の雨中の女子マラソンはパリ五輪に大きな期待を添えることになった。オリンピックの女子の活躍といえば1928年第9回、アムステルダム大会の人見絹枝である。陸上800メートル競争で日本の女子選手初の銀を得た。人見のパンツ姿に「お嫁に行けない」という声が上がったという逸話がある。あれから95年を経た。今回の雨の中の女性たちの眩しいパンツ姿を見て隔世の感をもった。
◇細田衆院議長の辞任会見の表情はいかにも哀れだ。追い詰められ困惑した表情は泣きそうにも見える。国会は国権の最高機関で唯一の立法機関である。細田氏はその国会で、参院に比し重要な役割を担う衆院のトップである。旧統一教会と自民党との関係のキーマンと言われながら公開の場での説明を逃げてきた。やっと開いた会見は極めて不十分で核心の質問にはまともに答えない。質問の挙手はやまず最後は振り切るように立ち去った。
任期中の辞任は極めて異例。それは旧統一教会の問題やセクハラ発言の追及から逃げる姿に見える。国民の政治不信は一層募るに違いない。議長職は形だけのものであってはならない。地方議会の議長職が形骸化しているだけにそう思う。地方議会の議長の任期は4年なのに多くは一年のたらい回しだ。要改革である。(読者に感謝)