人生意気に感ず「日本語入学者の増加は何を意味するか。草津楽泉園重監房の果たす役割は何か」 | 中村紀雄オフィシャルブログ 「元 県会議員日記・人生フル回転」Powered by Ameba

人生意気に感ず「日本語入学者の増加は何を意味するか。草津楽泉園重監房の果たす役割は何か」

◇20日、日本語学院の7学期制入学式が行われた。計216人の若者たちの光景はコロナが終わって世界が動き出したことを感じさせた。また、高齢少子化の時代が加速する中で外国人との共生が言われているが、それを如実に物語る姿に見えた。国別でいえば、数が多い順にインドネシア・モンゴル・ミャンマー・ネパール・ベトナム・パキスタン・バングラディシュ・スリランカと若者たちはそれぞれの民族衣装で登場した。その外に少数参加国として、ブラジル・ハイチ・キルギス・アゼルバイジャン・エジプト・中国・タイと続いた。この建物では時々結婚式が行われるが、若者たちの姿は集団結婚式を想像させた。入学生を代表して挨拶したのはタイ人の女性だった。

 名誉学院長の私は歓迎パーティで祝いの言葉を述べた。「コロナが終わり世界は大きな節目を迎えました。新しい時代を生きる力をこの学園で身に付けて下さい。日本は平和の国で礼節を重んじる国です。これからの日本は皆さんと力を合わせて進まねばなりません。皆さんには言葉だけでなく日本の文化や習慣をも学んで欲しいと思います。この学院は皆さんの学習を全力で応援致します」

 一時はコロナで壊滅的な打撃を受けた学園はようやく息を吹き返した。このような入学式が今後も続く。理事長の解任等劇的な変化を経験したこの学園は新理事長の下で職員も心機一転して臨もうとしている。私は新しい体制の中心として役割を果たさねばならない。世界の若者を前にして私は決意を固めた。

◇今日は草津の楽泉園に向う。深夜の気象情報では大雨注意報が出ている。用心しなくてはならない。八ッ場ダムも久しぶりだ。重監房資料館の運営委員会である。私はここで思い切った発言をしようと決意している。悪魔の牢獄とまで言われた歴史的事実を風化させてはならない。人権の碑に刻んだ怨念を後世に伝えていかねばならない。私は小説「死の川を越えて」の中で反権力の医師小笠原登、そしてその弟子で国の隔離政策の責任者だった大谷藤郎のこと、またハンセン病資料館館長成田稔先生のことを書いた。

 成田さんは私の小説を読んで、今後のハンセン病対策への理解と啓発に尽力するよう伝えてきた。私は成田さんの意志を受け止めて重監房の評議になっていると自分では思っている。人権の碑の「私たちは人間の空を取り戻した」という叫びを深く理解し人々に伝えねばならない。差別と偏見による人権侵害は尽きることがない。重監房の役割は極めて大きいのだ。(読者に感謝)