人生意気に感ず「大災害、前門の虎後門の狼。館林で田中正造の講演を。英国の戴冠式」 | 中村紀雄オフィシャルブログ 「元 県会議員日記・人生フル回転」Powered by Ameba

人生意気に感ず「大災害、前門の虎後門の狼。館林で田中正造の講演を。英国の戴冠式」

◇遂にコロナの嵐が終息を迎える。緊急事態宣言は約3年3ヶ月続いた。爽やかな風が吹き渡り太陽までが青い空に違った輝きを放って見える。WHOの集計では今月3日の時点で約7億6,500万人が感染し692万人以上が死亡した。ウィルスとの闘いは人類永遠の課題である。コロナ禍が社会に与えた様々な爪痕を振り返り、そこから大きな教訓を引き出さねばならない。

 前門の虎後門の狼という。石川県珠洲市の震度6強は私たちの心を大きく揺るがした。地震の巣の上にあって慣れっこになっている日本人にこの大揺れはいよいよ本番だぞと大自然が警告の狼をあげているかのようだ。首都直下、南海トラフ、富士山、浅間山等々の動きが懸念される。東日本大震災から12年が過ぎた。最近の能登半島の動きは大自然が懲りない日本人に本気度をダメ押ししているようにも取れる。

 我々が備えなければならないのは地震や火山だけではない。地球環境が狂い出し、この島国もその影響を受け異常が常態化していることだ。50年ぶりという表現はやがて使われなくなるに違いない。今の子どもたち、これから生まれる子どもたちの未来に何が待ち受けているのか。止まらない人口減少社会で彼らはその重荷に耐えられるのか。

◇13日の館林市文化会館の準備ができた。「甦る田中正造・死の川に抗して」。甦らせねばならないと私は強調するつもりである。それは鉱毒を放置しながら、農民を弾圧した政府を許せないからだ。議会に於ける田中の演説を識者は名演説と高く評価した。田中は帝国憲法の進歩性を意識していた。特に所有権や請願の権利である。鉱毒により農地を侵されていることへの強い怒りであった。中江兆民の妻は直訴を伝えるために必死で走った。田中は取り押さえられ天皇に渡すことは出来なかったが、直訴の反響は凄かった。人々は号外を争って読んだ。時代の新しい気風を求めていた若者たちは沸き立った。秋水が大逆事件に連座して死刑となったのは1911(明治44)年。裁判は社会主義運動を絶滅させるための司法の名に値しない不当なものであった。

◇英国戴冠式に世界史の壮大な流れを思った。日英同盟は1902年、日露戦争はその2年後である。眩い王冠は大英帝国の繁栄と没落の象徴である。1千年以上続いている儀式に現在多様性の波が押し寄せ若者の王室離れも伝えられている。比較して日本の天皇制は安定しているようだ。日本こそ世界最長の伝統を誇っている。天皇は日本統合の象徴であることをかみ締めたい。(読者に感謝)