人生意気に感ず「大相撲が終った。福田赳夫の歩みを描く。“東大歴代総長”の歩みを新入生に贈った」 | 中村紀雄オフィシャルブログ 「元 県会議員日記・人生フル回転」Powered by Ameba

人生意気に感ず「大相撲が終った。福田赳夫の歩みを描く。“東大歴代総長”の歩みを新入生に贈った」

◇大相撲春場所が終った。霧馬山の引き締まった身体に引きつけられた。モンゴルの遊牧民の出身だという。優勝した瞬間控え目な表情に喜びがにじんでいた。霧馬山に関心を持ったきっかけは深夜のジョギングである。私は毎朝2時40分に一定のコースを走るがその一角に工業団地がある。食品工場すかいらーくに向う人とほぼ同じ場所で会い、言葉を交わすようになった。この人が霧馬山のファンなのだ。「次は大関ですよ」といかにも嬉しそう。「3場所合計33勝以上というルールがあるんです」とかなり詳しい。

 コロナが静まるのに合せるように会場は連日満員御礼である。15日間の会場の光景に変化を感じた。日が進むにつれマスクが少なくなったのだ。外は桜が満開である。人々の心にも春が訪れたようだ。万葉の歌、「春のその紅いにおう桃の花 下照るみちに出て立つおとめ」を連想する。

◇日中友好条約締結が45周年を記念して福田赳夫の歩みを書いている。400字詰め原稿用紙約160枚を完成させた。中国関係の出版責任者とのやり取りは難しい面もある。私は中国人に読んでもらうという思い入れで書いた。福田派に長く属して福田赳夫を肌で感じてきたこともベースになっている。金古町で生まれ神童と言われ、学歴では自他共に認めるエリートコースを歩んだが、単なるエリートではない。榛名山麓の貧しい農村地帯で育ち、そこでの祖父や父母の教えが福田の原点になっている。優れた官僚が政治家になることは一つの理想の姿である。その例は多いが福田が他と異なるのはその原点を常に大切にしてブレなかったことだ。それは田中の列島改造論や金権政治に反対したことにも現われている。長い道のりを経て総理の座に着くがダッカハイジャック事件に遭遇する。政治に倫理を求め全方位外交を展開する福田は総理辞任後もOBサミットを提唱し死の床につく直前まで現役であった。その波乱万丈の人生には時を超えて人々に訴えるものがある。日中友好条約は覇権を求めないと規定するが、現在の中国は太平洋に向けて覇権を広げようとしている。米中の対立の間に立つ日本の役割は日々増大している。北朝鮮の目に余る暴虐ぶりは日本ののど元に突きつけた刃である。福田が掲げた全方位外交をいかに実現するかが問われる時なのだ。

◇「東京大学の式辞―歴代総長の贈る言葉」を読んだ。我が師林健太郎のこともある。全共闘に屈しなかった姿に全共闘も敬意を表した。今春、難関校に入学する若者へのプレゼントとして購入した。(読者に感謝)