人生意気に感ず「相次ぐ閣僚の更迭。田中正造に学べ」 | 中村紀雄オフィシャルブログ 「元 県会議員日記・人生フル回転」Powered by Ameba

人生意気に感ず「相次ぐ閣僚の更迭。田中正造に学べ」

◇ドミノ倒しのように続く閣僚の更迭は信じがたい程の政治不信を物語る。未曾有の国難に際し政治が機能不全に陥っている。私たちは現在狂乱の怒濤の中に居る。政治の世界と自然界が呼応するように狂い始めている。これは別の表現を使えば文明の破壊である。そして政治不信と文明の破壊は結び付いている。私は2022年の終わりに当たり、文明の破壊を予言したある政治家を取り上げたい。公害運動の元祖で足尾鉱毒事件に関し明治天皇に直訴した田中正造である。ここで田中について発言する動機の一つは来年館林市で田中正造の公害運動について講演を依頼されたことである。

 田中は100年以上も前に鉱毒の現実と取り組んだ経験の中で次のような文明観に到達していた。「真の文明は山を荒さず、川を荒さず、人を殺さざるべし、今文明は虚偽虚飾なり、私欲なり、露骨的強盗なり」。現代の文明は人々を殺し、自然を破壊している。ロシアのウクライナ侵攻は原発まで破壊しようとしており正に「露骨的強盗」である。そして現在の世相は物質万能の享楽にふけり、これは「虚偽虚飾」という他はない。田中が今時空を超えて現われたなら第一に政治家に鉄槌を下すだろう。そして地球的規模の環境破壊を目にして次のように訴えるに違いない。「手遅れが近づいている。救いの道は一人一人が傍観者の立場を反省して直ちに行動を起こすことだ。昔は天皇主権なので天皇に直訴したが、今は国民一人一人が主権者なのだ。その地位と責任を自覚せよ」

 私は先年毎日新聞に「よみがえる田中正造・死の川に抗して」を約1年連載した。今こそ田中正造を甦らせる時なのだ。(読者に感謝)