人生意気に感ず「ゼレンスキー氏は戦時の大統領としての勇気を世界に示した」 | 中村紀雄オフィシャルブログ 「元 県会議員日記・人生フル回転」Powered by Ameba

人生意気に感ず「ゼレンスキー氏は戦時の大統領としての勇気を世界に示した」

◇今年最後のふるさと未来塾はクリスマスイヴと重なった。早朝の猛雪は今年の世界情勢を象徴しているようだった。懸念していたが約30名が参加され嬉しかった。「今日の話は私のイヴのプレゼントです」と私は語った。テーマは「スターリンからゴルバチョフ、そしてゼレンスキー」。スターリンによる粛清・恐怖・政治は世界の孤立を招き経済は極度に疲弊する。国を建て直すためにスターリン批判が起こるのは必至だった。民主主義的な社会主義を目指したゴルバチョフはアフガン戦争に終止符を打ち、冷戦を終らせた。この動きはソ連軍出動の圧政に怯えた東欧に衝撃を与えベルリンの壁崩壊、そしてソ連の崩壊に繋がった。ゴルバチョフはソ連を実質的に崩壊に導いた男と言われる。大誤算と言われるウクライナ侵攻、それを決断したプーチンの胸にはかつてのソ連復活の夢があった。

 プーチンの誤算にはもうひとつ重大なことがあった。それは過去の例のようにウクライナが簡単に敗北すると踏んだことである。ゼレンスキー大統領は戦う兵士の先頭に立ってこの戦いは世界の自由と民主主義を守るためのものだと訴えた。この姿勢こそ、世界が一致してウクライナの支援に動いた理由である。この特異な大統領が存在しなかったならプーチンの計画が実現し世界の状況は一変していたに違いない。しかし長引く戦争にエネルギー危機や物価高騰が重なり世界に支援疲れの空気が生じ始めた。アメリカ議会の一部にも過剰な支援に対する批判の動きが。このタイミングを意識して、私の話はゼレンスキーの米議会訪問に焦点を当てた。戦時の大統領が米議会を訪問するのは極めて異例でチャーチル英首相以来。よくテレビで観るスーツでないあの姿を米議会は万雷の拍手で迎えた。壇上に立つ2人の女性はペロシ下院議長とハリス副大統領。ゼレンスキー大統領が渡すウクライナ国旗には前線の兵士の寄せ書きがあった。バイデン政権がこれまでに表明した軍事支援は約2兆8000億円、そしてゼレンスキー大統領が登壇の時、米議会は約5兆9000億円の予算案を審議中だった。その後予算は可決された。

 塾では自由討論に移り激しい議論が交わされた。太田市から通う熱心なFさんはプーチン氏ばかりを責めるのは片寄っていると強調された。聖夜を締めくくる熱い議論を聞きながら私はウクライナの戦場を想像し新年の平和を祈った。(読者に感謝)