人生意気に感ず「中国の抗議活動と天安門事件。日中友好へいわカルタのこと」 | 中村紀雄オフィシャルブログ 「元 県会議員日記・人生フル回転」Powered by Ameba

人生意気に感ず「中国の抗議活動と天安門事件。日中友好へいわカルタのこと」

◇中国で抗議活動が拡大している。市民は抗議を示す白い紙を掲げて叫ぶ。「PCR検査はもうたくさん。自由がほしい」

 私は「自由がほしい」という叫びに注目する。1989年の天安門事件を連想するからだ。全国約80の大学に抗議が広がったという情報がある。コロナの流行で当局は大学を長期間閉鎖した。当局の目的はコロナであるとしても閉鎖は学生の心と自由を抑え込むことになる。これは日頃蓄積された一党独裁への不満の抗議に転化する可能性を孕む。学生は自由を奪われ、景気悪化で就職も厳しい。若者は結婚して子どもをもうけることにも絶望感を抱くだろう。その原因は政治体制にあると考えるのは自然である。世界の状況はウクライナの問題と重なっている。さっそくアメリカやイギリスがここぞとばかりに習近平体制の批判を始めた。中国を最大のライバルと見るアメリカにとっては最大のチャンスでもあるのだ。中国政府は過敏な程に警戒を強めているに違いない。湖南省のある大学は外国勢力の扇動に乗らないよう通知を出したという。しかし外国の状況がただちに伝わるのが現在の特色である。学生の手にあるスマホにはマスクをつけずに自由を謳歌する外国の若者の姿がある。習主席は窮地に陥っている。

 現在の中国共産党は絶対的な軍事力を持つから独裁体制が崩れることはないだろう。しかし言論の自由を押さえ込み、人権を弾圧する状況は変化せざるを得ないのではなかろうか。

◇「日中友好へいわカルタ」が完成し、世界の舞台に登場した。28日、中国文化センターで開かれた日中国交正常化50周年の企画展で注目を集めていた。道徳の孔子、書の顔真卿、詩の李白などが読まれ、日本の文化では富士山、大相撲、忠臣蔵なども登場する。「友情の絆を誇る群馬の松」は中国大使館に植えた松のことである。

私は挨拶の中で述べた。「激動の世界状況の下、日本と中国の役割はますます重要となり、それを支えるのは民間同志の文化の交流です。カルタの絵の作者は脳梗塞のため利き腕の右が使えず左で描きました。日中の友好を願う心が絵筆を動かしました」。群馬県日中友好協会は尖閣問題により両国間が最悪の状況で船出したことにも触れた。

◇現在開かれている国会で最大の問題の一つは国防費の大幅な増額である。ロシアのウクライナ侵攻に始まる緊迫の国際情勢の中で、軍事費の増大が着々と進められていく。日本は9条を持つ平和憲法の下で国民の命を守りつつ世界の平和と安定にその役割を果たすことができるのか。私たちの覚悟と自覚が問われる。(読者に感謝)