人生意気に感ず「岸田・習両首脳の対面会議の意義。寺田総務相更迭」 | 中村紀雄オフィシャルブログ 「元 県会議員日記・人生フル回転」Powered by Ameba

人生意気に感ず「岸田・習両首脳の対面会議の意義。寺田総務相更迭」

◇アジアを舞台にして重要な国際会議が続く。その中で私は日中両首脳の対面での会議に特に注目した。岸田首相と習主席との対面である。その時の2人の表情は複雑な政治・社会状況を物語る。ウクライナの戦局の気になる行方・北朝鮮の傍若無人振り、特に覇権を争う米中の対決、これらの中で日中の関係は格別の意味を持ち、両首脳の胸中は極めて興味深い。それを窺わせるのが2人の表情である。2人は笑顔で歩み寄って言葉を交わした。習氏、「バリ島からは今日いらしていたのですか、昨日ですか」、岸田氏「今日来ました」。習主席の意外な程の穏やかな態度はこの人が日中関係をいかに重視しているかを示すものと思えた。岸田さんはこれで言いづらいことも発言しやすくなったに違いないと私は首相の心中を想像した。岸田さんの相手は絶大な権力を握る独裁体制のトップである。側近といえども自由に反対意見が言えないと思われる。それだけにこの人と心を通わせることが出来れば難題に近づく可能性が期待できる。安倍政権の下で「忖度」という言葉がはやった。おしはかって動くという意味である。独裁体制は忖度が制度化されているようなものだ。岸田氏と習氏の対応は言わば民主主義と専制主義の対決である。

 この度の対面での会議は伝えられるところからは一定の成果が得られたようだ。岸田さんは国内問題の不手際から支持率急落の窮地に立たされているが習氏との外交で幾分挽回したのではなかろうか。

 私が今回の岸田氏を評価する場合の視点もある。それはアメリカ一辺倒でなく米中の間に立って日本でなければ果たせない役割の発揮の可能性を窺わせた点である。日米同盟は日本が寄って立つ最重要の基盤であるが日本にとってがんじがらめのものではない。日本と中国の間には2千年を超える歴史がある。その上で中国の体制は価値観に於いて根本的に異なるしアメリカの民主主義も多くの問題を抱えている。ここに東西両文明の間に立って両者を調整すべき日本の役割と使命の意義が存在するのである。岸田総理は人類史的な歴史の舞台にふさわしい千両役者とは思われないが、チャンスにも恵まれて予想外の好演ぶりを示せたといえる。この文を書いている時に寺田総務相更迭のニュースが飛び込んだ。一山越えての大難を乗り越えることはできるのか。(読者に感謝)