人生意気に感ず「アメリカの中間選挙は民主主義の試練。習近平主席はロシアの核政策を批判」 | 中村紀雄オフィシャルブログ 「元 県会議員日記・人生フル回転」Powered by Ameba

人生意気に感ず「アメリカの中間選挙は民主主義の試練。習近平主席はロシアの核政策を批判」

◇アメリカの中間選挙の投開票が進む。バイデン大統領の民主党劣勢が進んでいるようだ。アメリカの選挙の歴史に於いて中間選挙は大方現政権は不利に終っている。しかし、今回全世界が特別の関心を示すのはウクライナ情勢に対する影響である。米議会の共和党の重鎮は「無制限に金を使わせない」と訴えている。踊るトランプ前大統領とそれに呼応し熱狂する大衆は何を物語るのか。私はアメリカ社会の分断及びアメリカの民主主義の危うさだと思う。彼が訴える「アメリカ第一主義」は追い詰められたプーチンに再生のチャンスを与えるかも知れない。そしてゼレンスキー大統領を窮地に立たせる恐れすらある。外交安全保障分野は大統領の専権事項だから中間選挙の結果に左右されないと専門家は指摘する。しかし、専制主義の国と違いアメリカは世論の力が大きな国である。だから共和党の大勝はバイデン大統領にとってブレーキとなることは否定できないだろう。何より懸念されるのは予想されるトランプ氏の次期大統領選への出馬表明である。トランプ氏の「アメリカ第一主義」は世界の民主主義の危機を物語るからだ。

◇ウクライナの戦況に関してはロシアの劣勢が伝えられている。ロシアの複数のメディアはロシアの動員兵1個大隊の全滅を報じた。ウクライナ東部に配置された兵士の死者は500人に上るという。信じられないような貧弱な装備が明らかになっている。この出来事はロシアが既に戦争を継続することが困難になっていることを示すに違いない。これはロシア国民の間に広がり、プーチン政権を内部から揺るがすことは必死と思われる。そこで、プーチンの手にある最後のカード、核の使用は果たしてあるのかが改めて心配となる。

 ここで注目すべきことはロシアが頼りにする中国の状況である。最近ドイツの首相が中国を訪れ習主席と会談し、習主席は驚くべき発言をした。何とロシアが核を使用することに反対であるという。習近平主席がロシアと距離を置くことには賢明かつしたたかな戦略があると思う。習氏は中国国内のルールを改めて異例の長期独裁を打ち出し世界の批判を浴びている。ロシアに対する態度の変化は世界の孤立を避け中国の存在感を示す上で効果があると思われる。

 今やロシアが頼るのは金正恩のみという感がある。金正恩はアメリカの虚を突くように核政策を進めている。習氏のロシア批判は北朝鮮の「核」にも影響を与えるだろう。虚々実々の世界劇場は日本も巻き込んで止まることを知らないかのようだ。(読者に感謝)