人生意気に感ず「50年式典に出て。日中の今後と世界。東大の研究室を訪ねて」 | 中村紀雄オフィシャルブログ 「元 県会議員日記・人生フル回転」Powered by Ameba

人生意気に感ず「50年式典に出て。日中の今後と世界。東大の研究室を訪ねて」

◇20日、日中国交正常化50周年記念の式典に出た。この50年の世界の変化、そして日中両国の発展と変化は大変なものだった。それを踏まえて日中の今後を考えることがこの会の目的である。会場では林外相、福田元総理、孔駐日大使等が挨拶し、岸田総理及び習主席のメッセージが代理によって発表された。私は挨拶を聞きながら激動の中国を想像した。かつて列強に侵略され屈辱を味わった中国は今やアメリカと覆を競う迄になった。アメリカと固い同盟を結ぶ日本は永久の隣国である中国とどのように対応するか。これは日本の安全と運命ばかりでなく世界の安定と平和がかかった問題である。50年前の日中共同声明は制度の違いを認めつつ平和友好関係は可能だとうたった。その後に来日した鄧小平は「中国は将来強大になっても決して覇権は唱えない」と強調した。今こそ中国はその精神に立ち戻るべきである。

 林外務大臣は大要次のように訴えた。

「現在大きな可能性と共に厳しい課題がある。共に大国である両国は、自覚的な努力によって先人から受け継いだ使命を尊重すべきだ。そのために率直な会話を重ねることが必要だ」。

 50年を振り返る中で最大の出来事はロシアのウクライナ侵攻である。この動きの中で中国はロシアと密接な関係にある。それ故に日本の特別な役割が特段に重要になった。米中のはざまで日本は東西文明の調整役を果たさねばならない。それが自覚的努力に他ならない。それは日本だけでは不可能である。インド太平洋の安定を目指した近隣外交の重要性はここにある。林外相は率直な会話を訴えたが現在このパイプが細くなっていることが懸念される。岸田首相は命がけで国交正常化を成し遂げた先人にならって心機一転全力を尽くすべきだ。

◇式典の後、東大西洋史の研究室を訪ねた。私がかつて学んだ所を知りたいという人たちの希望に応える意味もあった。連絡をしておいたので二人の先生が対応してくれた。西洋史研究室は図書館に対面する建物である。研究室には村川堅太郎、林健太郎先生等の写真が掲げられている。現在の学生の状況や卒業後の進路などを訊き私の活動やかつての林先生との関係などを話した。奥の談話室の大きなテーブルを見て驚いた。表面が磨り減ったような古い板は数十年前のものであった。幾つかの他の研究室や教室を回ったがかつての学生運動の騒然とした姿は一変して静かだった。機動隊との攻防の砦だった安田講堂は前世紀の遺物のようにそびえていた。(読者に感謝)