人生意気に感ず「動員令と住民投票。国連改革は急務。アメリカの役割は」 | 中村紀雄オフィシャルブログ 「元 県会議員日記・人生フル回転」Powered by Ameba

人生意気に感ず「動員令と住民投票。国連改革は急務。アメリカの役割は」

◇部分的動員令と併行して急きょ実施されているのがロシアの支配地域に於ける「住民投票」である。銃を持った兵士が圧力をかけている姿が伝えられている。およそ我々がイメージする選挙ではない。自由意思の保障、投票の秘密もない。「偽りの住民投票」、「茶番劇」という声が飛び交うのは当然である。プーチンの意図は、見せかけにせよ住民の自発的意思に基づく国家をつくることにある。その上でウクライナと西側の攻撃はロシアに対する攻撃だという口実に使おうとしている。83%ともいわれるプーチン支持の人々はこの口実をどのように受け止めるのであろうか。

 住民投票に対し世界の世論の非難は激しい。バイデン大統領は「編入」は断じて認めない、同盟・友好国と共に追加経済制裁を発動すると警告した。バイデン氏は「でっち上げ」と指摘し、「国連憲章を含む国際法の目に余る違反だ」とその矛先は厳しい。

 世界の一体化はますます加速しその重要課題は、世界が手を結ばなければ解決できない。それを主導することが国連の役割である。しかしその国連が機能不全に陥っている。その主因は安全保障理事会の在り方にある。5つの安全保障理事国は第二次世界大戦の戦勝国である。ロシアが拒否権を行使するためにほとんどが解決を見ない。私たち世界の人々は現在のウクライナ問題でそのことを身近に痛感する。第二次大戦から時は移り世界の情勢は大きく変化したのに国連の惨めさは77年前に呪文にかけられたようである。呪文を解くカギは国連の安保理改革意外にない。

 バイデン大統領は21日の国連総会で常任理事国は特別な状況を除き拒否権の行使を慎むべきだと訴えた。私はトランプ前大統領と比べ同じ国の指導者でかくも違うものかと驚く。

 オバマ元大統領がその就任演説で訴えたことを今痛切に思い出す。「建国の父が法の支配と人間の権利を保障する憲章を起草した。我々はこの理念を目先の利益のために手放すことはない」。トランプのアメリカナンバーワンはこの目先の利益の主張である。もし、トランプが次期大統領選で当選した場合一番喜ぶのはロシアや北朝鮮に違いない。

 改めて日本の世界史に於ける役割の重要さを思う。岸田首相の総会演説は必ずしも好評ではない。それは日本の国内情勢と無関係ではない。安倍元首相なら何をどう訴え世界はどう反応したかを考えてしまう。(読者に感謝)