人生意気に感ず「動員令発動とロシアの行方。ロシアの若者たちの動き」 | 中村紀雄オフィシャルブログ 「元 県会議員日記・人生フル回転」Powered by Ameba

人生意気に感ず「動員令発動とロシアの行方。ロシアの若者たちの動き」

◇動員令発動により本格的な戦争への動きが一挙に高まった。プーチン大統領は核の使用も辞さないと公言し「はったりではない」と強調した。ロシア国内では動員令に対して若者たちの激しい抗議デモが起きている。実際に前線に送られ命の危険に晒されるのは若者だから彼らの抗議は命懸けに違いない。「プーチンを塹壕に放り込め」、「プーチンを前線に送れ」と叫んでいる。この抗議に対しロシアの40都市で1,300人以上が拘束された。動員令はただちに実施され市民に入隊命令が届き始めた。ロシア上院は動員に対する兵役忌避や命令不服従に対する刑罰を強化する刑法改正案を可決した。怯える若者の姿が報じられている。

 私は改めて世界地図を広げ北半球を広く覆うロシアの広大さに目を見張った。世界最大を誇るこの国の最大時差は10時間である。この国で今危険なナショナリズムが動き出そうとしている。動員令がシベリアのウラジオストクにまで届けられた。恐怖に駆られた人々は必死で国外へ脱出しようとしている。航空券は9倍にも値上がりし陸路でフィンランドに向う人もいる。ロシアの兵員不足は予想以上に深刻らしい。国内企業に兵士を集めるノルマが指示されているという。国兵のロシア鉄道は1万人の志願兵を指示された。更に驚くべきは、ある軍事企業の刑務所への働きかけである。6ヶ月間兵役に就けば釈放されると呼びかけているといわれる。私は第二次世界大戦末期のシベリアの地獄を思い出す。スターリンは兵員不足の中で刑務所の受刑者まで駆り出した。

 私は今月22日の講演でシベリア強制抑留を語る中でこのことにも触れ、ロシアのウクライナ侵攻は時を超えて同じ構造の中で行われていると訴えた。このようななり振り構わないやり方は結局ロシアの首を絞めることになると私は思う。しかし偏狭なナショナリズムがかつての「ロシア帝国」の幻を目覚めさせ核戦争に至ることを恐れる。プーチンは核戦争を一貫してほのめかしている。この動員令施行の中で更に強調し「はったりではない」という発言がロシア国内の一部勢力を勢い付かせている。戦争に突入すれば勝つためには何でもありは歴史が示すところである。この事態に国連は無力なのか。核の洗礼を人類史上初めて経験した日本の役割と使命は極めて大きい。一度核が使われた場合、いかなる結果を生ずるか。広島と長崎の惨状をロシアの多くの国民は知らないに違いない。(読者に感謝)