人生意気に感ず「問われる国連の機能。岸田首相は何を訴えるか。チャールズ新国王の存在感に思う」 | 中村紀雄オフィシャルブログ 「元 県会議員日記・人生フル回転」Powered by Ameba

人生意気に感ず「問われる国連の機能。岸田首相は何を訴えるか。チャールズ新国王の存在感に思う」

◇国連総会の一般討論演説が20日始まった。全世界が力を合わせなければ実現しない緊急の課題は余りに多い。その中で国連の無力が叫ばれている。なぜ国連が十分に機能しないのか。5つの常任理事国が特権として拒否権を持ち、その一国でも拒否権を行使するなら求められる全会一致が不可能になるからだ。

 最大の課題はウクライナ問題である。ロシアを糾弾しようとする決議にロシアが拒否権を行使するからまとまることがない。この点における改革が急務となっている。最近わずかながら前進が見られた。それは拒否権を行使した常任理事国は国連総会でその説明を求められることになったのである。

 ロシアの侵略を国連の力で阻止しなければならないが最近は「ウクライナ疲れ」と言われる現象が広がっている。それはアフリカや中南米の国々にロシア非難につき足並みの乱れが見られることだ。ロシアを追い詰めることが食糧危機や物価上昇を加速させると懸念しているのだ。私は目先の問題にとらわれてはならないと考える。ロシアの侵略行為を許すことは世界の安全を脅かす。ロシアは現在追い詰められあと一歩のところに来ている。右に挙げた発展途上国は第二次世界大戦の惨禍を真剣に振り返るべきである。

 国葬が近づく中で岸田首相は国連総会の一般演説に臨むことになった。日本が世界平和の問題で存在感を示すことは国葬以上に重要だと言わねばならない。広島と長崎を経験した唯一の核被爆国としてウクライナ問題で何を訴えるかに世界の注目が集まる。日本は東西両文明の衝突を調整すべき特別の使命を担っている。追い詰められて自信を失っていると思われる岸田首相は世界の舞台で世界の人々の胸に響く発言が果たして出来るのか懸念される。ゼレンスキー大統領は特別にオンラインで演説することになった。世界の役者がそろう舞台で大根役者と見られるなら首相の支持率は更に下がるだろう。国葬と合わせて考えると首相にとって前門の虎後門の狼の感がある。

◇エリザベスの後を継いだチャールズ新国王の存在感が徐々に大きくなっている。スキャンダルを抱えて危うい面も見られたが人間国王には教養があり世界の平和や環境や人権などにつき進歩的な価値観を強く抱いていることが理解されてきた。君臨すれど統治せずの立憲君主制の枠の中でどこまで影響力を発揮できるか世界の注目が集まる。私には意外な名優に成長する期待が窺われるのだが。(読者に感謝)