人生意気に感ず「“はじめに”の全文掲載」 | 中村紀雄オフィシャルブログ 「元 県会議員日記・人生フル回転」Powered by Ameba

人生意気に感ず「“はじめに”の全文掲載」

◇「生まれ、いき、そして未来へ」の“はじめに”を予告編のつもりでここに書くことにした。

 

 言論の自由を私たちは空気のように当たり前の存在と受け止めています。しかし歴史を振り返ればそれ程遠くない過去に自由にものが言えない時代がありました。そして自由に政府を批判できないことが国の暴走を許し、個人と国の破滅に繋がったことを経験することになったのです。言論の自由を圧殺する国の例は世界に目をやれば現在進行形で行われています。私たちはそれを北朝鮮で身近に突きつけられてきましたが、この文を書いている2022年3月現在、ウクライナ戦の中のロシアに於いて驚くべき事実を目の当たりにしています。最近ロシアは言論統制の法律を成立させました。それによれば政府を批判するフェイクな情報の発信に最高15年の禁固刑を科し虚偽が否かの判断は国が下すというのだから目茶苦茶です。これに対し身の危険を冒して抵抗する人たちの姿が連日報じられています。改めて言論の自由のありがたさに目を醒まさせられる思いです。日本国憲法は表現の自由を中心とした基本的人権につき過去幾多の試練に堪えた永久の権利と定めますが今このことの意味を改めて痛感します。そして上毛新聞の「ひろば」は小さな存在ですが、言論の自由を通じて大きな舞台に繋がっていることを実感します。今回この小著を多くの人の支援のお陰で出版できることを深く感謝する次第です。ひろばの各記事に囲み欄を設け付け足すことやその後の思いを書きました。元総理大臣の福田康夫先生の序文は拙著に一つの光明を与えてくれました。そして私の胸にある一つの目的は恩師に少しでも報いたいということです。元東大総長の林健太郎先生は私の政治家の旗揚げの時、手弁当で駆けつけてくれました。その時の励ましで今でもずしりと胸底にあるのは「歴史を活かせ」という諭しです。不肖の弟子はそれを遂げるため少しでも前進しようと努めてきました。本書の出版もこの流れに位置づけることが出来ればと思います。この文を世界の民主主義が一つに掛かったウクライナ・ロシア戦の真只中で書いていることに不思議な先生との御縁を感じます。歴史の壮大な歯車が市街戦の硝煙の中で回っています。歴史から学ぶ最大のチャンスは今をおいてありません。この書を天国の林先生に届けたい気持ちです。

巻末の「ハンセン法廷・反権力の叫び」は私が一年余に亘って上毛新聞に連載した「死の川に抗して」の一部を基にした作品です。そこには「ひろば」投稿文の基底にあって私が意識した社会問題と共通のものがあります。合せて読んで頂ければ幸です。

(尚、この書の出版に当たり事務所の小見ゆりが資料の整理等に力を尽くしたことに感謝します)

 

                              読者に感謝