人生意気に感ず「自民党完勝の意味。改正が現実の課題に。押しつけは天の配剤か。大勝こそ最高の献花」 | 中村紀雄オフィシャルブログ 「元 県会議員日記・人生フル回転」Powered by Ameba

人生意気に感ず「自民党完勝の意味。改正が現実の課題に。押しつけは天の配剤か。大勝こそ最高の献花」

◇今回の参院選は特に全国民の複雑な変化の状況を現している。選挙前から一部のマスコミが注目していたのがN党と参政党である。新しい選挙戦術を駆使してそれぞれ比例で1議席を得た。今後国会でどのような動きをなし得るのか注目したい。プロの漫画家の当選にも注目される。大きな歯車が回る中でこれらが存在感と役割を発揮できるか。その背後に多数の有権者の声があるだけに一時的なハプニングにしてはならない。日本の民主主義の質にも関わる問題である。

◇今回の選挙では、安全保障等に関し問題を抱える地域において票の現れ方が違うことを感じた。基地の島沖縄では各地の小さな票の行方の積み重ねが結果に響き最後の最後まで予断を許さず、遂に伊波洋さんが2800票余で激戦を制した。日本海に面し中国・ロシア・北朝鮮の脅威が切実な新潟県も保守が危機感をもって結束を強めるという注目の動きがあった。

 今回の自民大勝の結果、岸田政権の支持率は上がるだろう。そして「黄金の3年」と言われ、3年間は選挙がない期間が続くらしい。重要なのはこの間、国民は国政を白紙委任したのではないことだ。野党のチェック機能が問われるのにそれが期待薄の状態となるのが懸念される。

 より強い権力を得た自民党に求められるのは、堅実さと謙虚さである。「野党の話は何一つ聞かない」という閣僚の発言が選挙中にあった。これは民主主義の原則に反するもの。憲法改正の議論の中核は民主主義の堅持なのだからこれは先が危ぶまれることである。私は憲法改正に臨む岸田政権にとって最重要な一歩は予想される内閣改造の工夫だと思う。改憲の行方に大きな影響を及ぼすのは女性である。女性の尊重は平和と人権の観点からも当然であるが憲法改正に関しては特に重要である。閣僚にいかなる女性を据えるかは憲法改正の成否に関わることで私は大いに注目したい。

◇この際、憲法96条を改めて見つめたい。戦争をさせないために金縛りの呪文をかけたとも言われる硬性憲法を象徴する文言である。「各議院の総議員の3分の2以上で発議」、その上で「国民の過半数の賛成」が求められる。衆参どちらかの3分の1が反対すれば発議は出来ないのだ。この96条の意味と重さを今回当選した人たちはどのように受け止めているであろうか。憲法改正には改正できない限界もあることを認識しなければならない。「押しつけられた」憲法は天から与えられたものであることをこの際知るべきである。(読者に感謝)