人生意気に感ず「広島・長崎と原発事故。田中正造を思う。異常気象と土石流の恐怖」 | 中村紀雄オフィシャルブログ 「元 県会議員日記・人生フル回転」Powered by Ameba

人生意気に感ず「広島・長崎と原発事故。田中正造を思う。異常気象と土石流の恐怖」

◇太古から続く日本の歴史の上で最大の悲劇は1945年の「広島・長崎」である。日本人が国旗にして掲げた太陽がその灼熱の炎で無数の人々を焼き尽くしたのだ。以来科学の力で解き放たれた核という炎を巡り全世界は激しく動いてきた。この核の動きの中で現在は特別の時点にある。使われることはあるまいという悲観が狂気の独裁者によって打ち砕かれようとしているからである。1945年以来の核の歴史を振り返れば常に日本が重大な立場にあったことに気付かされる。核と同根というべき原発による事故が広島・長崎を経験した日本で起きたことは世界を驚かせた。この福島第一原発の事故はチェルノブイリ原発の事故と並んで注目される人類の悲劇である。このチェルノブイリがウクライナに存在したことに私たちは驚きと共に核と原発がいかに今日的かつ身近であるかを痛感させられる。

 不思議にもこのような時点に今回の参院選が重なった。この核の問題は日本の安全保障とエネルギー問題に直結する。エネルギーの逼迫とCO2ゼロのために原発再稼働がにわかに息を吹き返した感がある。のど元過ぎれば熱さ忘れることが懸念される。この問題は空前の巨大地震が迫りつつあることと合せて考えねばならない。私は「田中正造」を一年余に亘り全国紙の群馬版に連載したが、田中がいたら今日の状況を嘆くに違いない。彼の文明論、「文明は人を殺さず村を破らざるべし」の警鐘が予言として響いているからである。緊迫する世界情勢の中で日本の役割は非常に大きい。日本はその役割と使命を果たすべき絶好の地政学的立場にいる。岸田総理はそのカードを手にしている。それを使いこなせるかは彼に決断と力量にかかっている。彼を支え、あるいは衝き動かすのは今回の選挙に於ける国民の態度であるがこの点に関する国民の関心は薄い。しかしその時10日は刻々と迫っている。

◇ウクライナ問題に起因する物価高は深刻である。市民の生活は苦しくなり消費は落ち込む。コロナと経済の対策を両立させるのは至難の技だ。豊かさになれた人々にとって生活のレベルを貧しい時代に戻すことは出来ない。あらゆる難題が繋がり合って集中豪雨のように押し寄せているのが今日の状況である。一度ガラガラポンとなって立ち上がらざるを得ないのか。歴史はそれを繰り返してきた。天の配剤としてその時は近いのかも知れない。(読者に感謝)