人生意気に感ず「北欧2国がNATO加盟へ。契約軍人に見るロシアの窮状。日本とNATOとの連携」 | 中村紀雄オフィシャルブログ 「元 県会議員日記・人生フル回転」Powered by Ameba

人生意気に感ず「北欧2国がNATO加盟へ。契約軍人に見るロシアの窮状。日本とNATOとの連携」

◇29日、驚くべきニュースが飛び込んだ。北欧の2国、フィンランド及びスウェーデンに関する動きだ。この2国はロシアのウクライナ侵攻を機に長い伝統を破ってNATOへの参加を強く望むようになった。特にフィンランドはロシアと長い国境を接する。ウクライナの惨状を見て明日は我が身と痛感したのだ。NATOへの参加にはNATO加盟国全員の賛成が必要だが、唯一トルコが反対していた。そのトルコが遂に賛成に転じたのだ。私は、このニュースに接しロシアの敗北につながる象徴的な出来事だと思った。

◇ロシアが窮地に立たされ追い詰められていることを物語るロシア内部の事情がある。それは「契約軍人」に関することである。契約軍人とは3年契約で、専属で軍に勤務する人々である。6倍の給料が得られるということで多くの人が参加している。参加する人々の中には契約の真の恐さを知らぬ人も多いらしい。冷たい遺体を涙で迎える母の姿が報じられている。契約軍人制の背景にはロシア兵の大変な死者数の問題がある。イギリス国防省の分析ではロシア兵の死者は1万5,000人を超えると言われる。

 ウクライナ東部をなり振り構わず確保せんとするロシア軍の猛攻が続いている。契約軍人たちはこのような軍事態勢の中に否応無しに組み込まれていると思われる。

◇私のある親友が言った。ウクライナ東部だけの支配をロシアに認めて停戦を実現すべきだと。私は反対を主張した。もし侵略の既成事実を認めたらそれは既成事実を狙う他の地域にも影響する。やり得を許すべきではないのだ。歴史を振り返れば軍事力によるごり押しが繰り返されてきた。現在それが甦ろうとしている。

◇岸田首相は29日日本の首相として初めてNATO首脳会議に出席した。オブザーバーとしての出席であるが、NATOとの連携を築くことは日本の安全保障にとって重要な意味があることは間違いない。ウクライナの状況は明日の東アジアである可能性があるからだ。

 日本の安全保障の基盤は日米同盟であるが、最も重要なことは自分の力で自国を守る覚悟である。そのために平和憲法を基盤としてあらゆる努力をしなくてはならない。とすれば、価値観を共有する他国との連携は幾重にも築かれねばならない。その意味でNATOとの連携を探ることは極めて重要である。私には今回の出来事に幾分ほっとする気持ちがある。(読者に感謝)