人生意気に感ず「最高裁の違憲判断。最近の地震と狼少年。海底から現れた観光船は叫ぶ」 | 中村紀雄オフィシャルブログ 「元 県会議員日記・人生フル回転」Powered by Ameba

人生意気に感ず「最高裁の違憲判断。最近の地震と狼少年。海底から現れた観光船は叫ぶ」

◇最高裁裁判官の国民審査に関し大法廷が下した判断に私は大いに注目する。憲法79条は国民の司法監督の一手段として審査権を定め裁判官の罷免の可能性までうたっている。今回の違憲判断は日本国外に住む日本人がこの審査権を行使できないことに向けられた。国民審査法が権利行使を認めていないこと、つまり国会が立法権を果たしていないことが憲法に反すると判断した。10年ごとの衆議院選挙の際に審査は行われるが、多くの国民は意味が分からず何も記載しないで投票する。罷免された裁判官はゼロ。しかし当日の結果に対象とされた裁判官は大変神経を使うそうだ。過去に罷免を可とする×印が最多だったのは元駐米大使の下田裁判官だった。その任命の政治色に強い批判があったのだ。今回の違憲判断は眠っていた感のある制度を目覚めさせるに違いない。国は司法の民主的統制としては例外的補完的なもので政治家を選ぶ選挙権ほど重要でないと主張していた。この点には多くの国民のブーイングが聞こえてくるようだ。司法の民主的化を巡っては一般国民が裁判に関与する評議員制度や不起訴に異を唱える検査審査会の制度などがある。冤罪に泣く多くの人々の姿が目に浮かぶ。司法の民主的監督は人権を守る砦を築くことに通じる。アメリカによる押しつけ憲法論とも関わる論点である。この審査権はアメリカにならった典型の一つだからである。

◇最近の地震の頻発ぶりは異常の常態化の中でも際だっている。専門家は「狼少年」になることを恐れずに敢えて警鐘を鳴らしている。今の国民の心理は狼少年を歓迎しているともいえる。太平洋プレート、フィリピン海プレート、ユーラシアプレートのせめぎ合いが限界に近づいているのは間違いない。巨大なプレートが日本列島の下でぎしぎしと動く状況は、アメリカ・ロシア・中国・北朝鮮、そして日本が火花を散らす構図を連想させる。天の配剤は人知の及ぶところではなく、私は唯大自然の偉大な力と愚かな人間の動きを比較するばかりである。南海トラフ型及び首都直下型の巨大地震、そして東北地方・内陸部の地震が極めて近い将来連動して起こるだろうと指摘されている。政府は今後30年間に南関東でM7級が70%の確率で起きるだろうと報じている。

◇沈没の観光船が180メートルの海底から姿を現した。鮮やかな船体と静かな海面。当時の海は荒れていた。未だ12人が不明である。あの船の中でどんな地獄が展開されたのか。想像するのも空恐ろしい。大災害の時代は始まったばかり。引き揚げられた船舶が発する警鐘が聞こえるようである。(読者に感謝)