人生意気に感ず「沖縄復帰の新たな意味。国民が沖縄県民との一体意識をもつ時。天皇が出席すれば」 | 中村紀雄オフィシャルブログ 「元 県会議員日記・人生フル回転」Powered by Ameba

人生意気に感ず「沖縄復帰の新たな意味。国民が沖縄県民との一体意識をもつ時。天皇が出席すれば」

◇沖縄復帰50年を迎え、私たちが沖縄問題を直視すべき歴史的節目に立っている。沖縄戦は「ふるさと未来塾」でも何度か取り上げたが筆舌に尽くしがたい壮絶な地上戦が行われ島民の4人に1人が亡くなった。本土防衛の「捨て石」とされたのである。終戦後も沖縄の人々の苦しみは基地の存在によって米兵による女性暴行等深刻な問題を抱えて現在に至っている。更に復帰50年に重なるようにして生じた新たな問題がある。それはウクライナ戦に関して登場した。日本人は平和ボケと言われるが、実際もはや大きな戦争はないそして核が使用される脅威も現実的ではないという空気が支配的であった。ところがウクライナ戦はこの雰囲気を一変させた。独裁者プーチンによる核使用の恐れ、そして抑止力の重要性が現実のものとして捉えられるようになったからである。バイデン大統領がウクライナへの直接介入を避けたのはロシアの核使用を懸念するからであった。日本は核保有のロシア・中国・北朝鮮の三つの隣国に囲まれている。第三次世界大戦になれば、真っ先に狙われるのは基地が集中する沖縄かもしれないのだ。私たちは沖縄問題を自分たちの問題と捉えねばならない。他人事と考えるようでは、いざという時日本を守り抜くことはできない。私たちは沖縄が日本の中心から遠く離れた地域であるために自分たちの問題という意識が薄い。その結果として同じ国民でありながら沖縄県民には日常生活に於いて深刻な格差と差別が生じている。これは政治の問題でもある。今こそ国の政策の貧しさを厳しく追及する時だ。ウクライナ戦争が沖縄の問題を顕在化させ私たちに目を醒ませとリアルに迫っている。海洋国家を最大の目的の一つに掲げる中国にとって沖縄は海洋進出を妨げる大きな存在である。海洋国家といえば周囲を海で囲まれ太平洋と共に存在する日本ほど重要な国は少ない。その最先端の頭の部分が沖縄なのだ。沖縄県民は生活者の問題として民主主義・人権・安全保障の問題に日々直面している。これらの認識を沖縄の人々と共有することこそが復興50年が直面する問題なのだ。

 沖縄の記念式典に天皇皇后及び岸田首相が言葉を述べた。両陛下はオンライン参加でなく直接に出席すべきであったと思う。コロナを心配するが万全な対策の下で不可能なことではない筈。沖縄県民の苦難の歩みを思い、国民がこの時期に一体となるためにその意義は大きかった筈だ。平和の象徴としての存在感を内外に示す絶好の機会であった。(読者に感謝)